フィジカルAI関連の日本株・本命8銘柄ランキング!ETF組入銘柄から厳選

フィジカルAI関連の日本株・本命8銘柄ランキング!ETF組入銘柄から厳選 株式投資

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「フィジカルAIの成長に乗るため、どの日本株に投資すべきか?」とお悩みではありませんか?
本記事では、BOTZや2638などのAI関連ETFに組み込まれている企業から、フィジカルAI市場の本命となる日本株8銘柄を厳選して比較解説します。
ダイフクやファナック、キーエンスなど、AIの「目」や「筋肉」を担う注目企業の強みを役割別に整理しました。さらに、ETFではなく個別株として投資するメリットや注意点も網羅しています。
次世代のAIトレンドを見据えた銘柄選びの参考にしてください。

この記事で分かること
  • ETF(BOTZ・2638)組入銘柄から厳選したフィジカルAI本命・日本株8銘柄
  • ダイフク、ファナック、キーエンスなど各銘柄の役割と強み(目・筋肉・関節など)
  • フィジカルAI分野における、ETF投資と個別株投資のメリット・デメリット
  • 関連株へ投資する際の注意点(高値掴み・テーマ過熱・業績とのズレ)

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この記事を書いた人:ネオ(NEO) / AI市場アナリスト・AIクリエイター

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本記事は、株式市場の仕組みや一般的な取引傾向、ならびに特定の移動平均線データを基にしたテクニカル分析の解説・紹介を目的としたものであり、特定の投資商品・銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。実際の株式投資や資産運用には元本割れのリスクを伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当ブログおよび運営者は一切の責任を負いかねます。

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フィジカルAIとは?

疑問の画像

フィジカルAI(Physical AI)とは、デジタル空間のデータ処理にとどまらず、「現実世界(フィジカル空間)で物理的な動作を伴うAI」のことです。

ChatGPTのような従来の「生成AI」が、画面上にテキストや画像を出力するのに対し、フィジカルAIはロボットや自動化設備などの「物理的な身体」を持ち、現実の環境を認識して自律的に動きます。

フィジカルAIを構成する3つの重要要素

  • 頭脳(AIモデル・制御):状況を学習・判断し、最適な動作を計算する役割。
  • 目・感覚(センサー・カメラ):現実世界の状況(障害物や位置、形状など)を認識する役割。
  • 筋肉・身体(ロボット・アクチュエータ):AIの指示通りに現実世界で正確に動く役割。

近年、半導体大手NVIDIAのフアンCEOが「AIの次の波はフィジカルAIである」と言及したことで、世界的な投資テーマとして一気に注目を集めました。

深刻な人手不足に悩む製造業(工場自動化)、物流、医療などの現場において、人間のように状況を判断して動けるロボットの需要は急増しています。フィジカルAIは単なるソフトウェアの枠を超え、現実の産業構造を根本から変える次世代の成長市場として期待されています。

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フィジカルAI関連の日本株・本命8銘柄をETF組入銘柄から厳選!

フィジカルAI関連の日本株・本命8銘柄をETF組入銘柄から厳選!

 

関連記事を読んでから、本記事を読むと流れが掴めます♪関連記事:フィジカルAI ETFおすすめ5選を比較|組入銘柄・騰落率・純資産と本命日本株ランキング

上記の記事のETF・投資信託BOTZと2638の中身を詳しく見ると、もう一つ重要な投資方法が見えてきます。

それが、

「ETFに組み込まれている本命企業を、個別株として直接買う」

という方法です。

ETFは複数銘柄へ分散できるのが最大のメリットですが、成長企業の株価が大きく上昇しても、ETF全体では他の銘柄によって上昇率が薄まります。

逆に個別株では、その企業がフィジカルAI市場の本命になった場合、ETFより大きな株価上昇を狙える可能性があります。

もちろん、その分だけ企業固有のリスクも大きくなります。

そこでこの記事では、BOTZと2638の構成、日本企業の競争力、フィジカルAIとの直接的な関係を踏まえ、次の8社を詳しく比較します。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
コード 銘柄 フィジカルAIでの役割 BOTZ 2638 注目ポイント
6383 ダイフク 物流・工場の自動搬送 ○ ○ 半導体工場・物流倉庫などの自動化需要
6954 ファナック 産業ロボット・FA・制御 ○ ○ 産業ロボットにAIを融合する本命候補
6273 SMC 空圧・アクチュエータ ○ ○ ロボット・自動化設備を動かす「筋肉」
6861 キーエンス センサー・画像・測定 ○ ○ AIが現実世界を認識する「目」
6481 THK LMガイド・直動部品 ― ○ 機械を滑らか・高精度に動かす基幹部品
6506 安川電機 産業ロボット・サーボ・モーション制御 ―※ ○ AIとロボット制御をつなぐ代表企業
6268 ナブテスコ 精密減速機 ― ○ 産業ロボットの関節を支える重要部品
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 精密減速機 ― ○ 小型・高精度ロボットや関節用途で重要

※「BOTZ」の○・―は、2026年10月2日時点のBOTZ上位10銘柄を基準にしています。「―」はBOTZに一切組み入れられていないという意味ではなく、ここでは上位10銘柄に入っていないことを示します。ETFの組入銘柄・比率は随時変化します。

8社を「頭脳・目・身体・筋肉・関節」に分けると分かりやすい

ロボットなどが現実世界で動く

この8社はすべてフィジカルAI関連と一括りにできますが、実際の役割は大きく異なります。

AIの「目」
キーエンス(ソニーグループ・オムロン)

AIと機械をつなぐ「神経・制御」
ファナック、安川電機(日立製作所・オムロン)

ロボット・工場を実際に動かす「筋肉」
ファナック、安川電機、ダイフク、SMC、THK(川崎重工業)

ロボットの「関節」
ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズ(THK・SMC)

フィジカルAIが働く「工場・物流システム」
ダイフク(土台:東京エレクトロン・アドバンテスト・ルネサス・NTT)

この分類は投資を考えるうえでも重要です。

例えばヒューマノイドロボットが普及した場合でも、ロボットメーカーだけが恩恵を受けるとは限りません。

ロボットの台数が増えれば、センサー、モーター、サーボ、アクチュエータ、直動部品、精密減速機などの需要も増える可能性があります。

つまり、フィジカルAIでは完成品メーカーだけでなく、その裏側にある「つるはし・部品企業」にも投資機会が生まれる可能性があります。

ETF採用=必ず株価が上がるわけではない

ここで注意したいのは、BOTZや2638に採用されているからといって、その企業の株価上昇が保証されるわけではないことです。

個別株では、フィジカルAIとの関連性だけではなく、

  • 売上高・営業利益の成長
  • 受注の伸び
  • 利益率
  • PER・PBRなどのバリュエーション
  • 現在の株価位置
  • 中国・米国など地域別需要
  • 設備投資サイクル
  • 為替
  • フィジカルAIが実際に利益へ寄与する時期

まで確認する必要があります。

そこで次章では、この8社についてフィジカルAIとの関連性だけでなく、「2026年10月時点で今から投資する魅力があるのか」まで加えて比較します。

ダイフク、ファナック、SMC、キーエンス、THK、安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズを同じ基準で比較し、「フィジカルAI本命・日本株ランキング」を決定します。

※2026年10月7日は取引時間中に株価が変動するため、比較条件を統一する目的で株価は2026年10月6日終値を使用しています。

なお、以下の順位は将来の株価上昇を保証するものではなく、2026年10月時点の公開情報を基にした独自評価です。

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フィジカルAIに強い主要ETF・ファンド5本を比較

比較の画像

関連記事を読んでから、本記事を読むと流れが掴めます♪関連記事:フィジカルAI ETFおすすめ5選を比較|組入銘柄・騰落率・純資産と本命日本株ランキング

上記の記事のETF・投資信託BOTZと2638の中身を詳しく見ると、もう一つ重要な投資方法が見え

フィジカルAI関連へ投資できるETF・投資信託は複数ありますが、商品によって「何をフィジカルAIとして取り込んでいるのか」はかなり異なります。

そこでこの記事では、次の5本を主要比較対象とします。

  • BOTZ(Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF)
  • ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)
  • 2638 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF
  • ロボット・テクノロジー関連株ファンド -ロボテック-
  • iTrustロボ

ただし、この5本は同じタイプの商品ではありません。

BOTZとARKQは米国市場に上場するETF、2638は東京証券取引所に上場する日本株ETF、ロボテックとiTrustロボは日本の投資信託です。

また、BOTZや2638のように指数への連動を目指すETFがある一方、ARKQや国内投資信託のように運用方針に基づいて銘柄を選別する商品もあります。

そのため、単純に過去の騰落率だけを比較するのではなく、「どの部分のフィジカルAI成長を取りに行く商品なのか」を見ることが重要です。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
商品 タイプ 主な投資地域 主な投資領域 フィジカルAIでの特徴
BOTZ 米国上場ETF 世界 産業ロボット、FA、AI、医療ロボット、自動運転など AIの頭脳からロボット本体・センサー・駆動系まで広く保有
ARKQ 米国上場・アクティブETF 世界 自動運転、Adaptive Robotics、AI、バッテリー、3Dプリンティングなど 自動運転や次世代ロボットなど将来型フィジカルAIへの攻めが強い
2638
グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF
東証ETF 日本 産業ロボット、FA、センサー、駆動部品、自動化設備など 日本の「ロボットの身体・目・筋肉」に強い
ロボテック 国内投資信託 世界 AI半導体、ロボット、FA、自動化関連企業など AI半導体から産業ロボットまで世界分散しやすい
iTrustロボ 国内投資信託 世界 ロボティクス関連企業、AI、ソフトウェア、半導体など ロボットだけでなくAI・ソフトウェアによる自動化まで広く取り込む

BOTZは「世界のフィジカルAI」をバランスよく保有

BOTZ(Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF)は、ロボティクスとAIの普及によって恩恵を受ける世界の企業への投資を目指す米国上場ETFです。

Global Xの公式説明では、投資対象として産業用ロボット・オートメーション、非産業用ロボット、自動運転車、AIなどが挙げられています。

2026年10月6日時点では81銘柄を組み入れており、上位にはファナック、Intuitive Surgical、NVIDIA、キーエンス、ABB、SMC、ダイフク、Cognexなどが入っています。

つまりBOTZは、NVIDIAのような「AIの頭脳」だけではありません。

キーエンスやCognexなどの「目」、ファナックやABBなどの「身体」、SMCなどの「筋肉・駆動系」まで同時に保有できるのが特徴です。

BOTZ=世界のフィジカルAI産業を「頭脳・目・身体・筋肉」までまとめて保有しやすいETF

ARKQは自動運転・次世代ロボットまで狙う「攻め型」

ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)は、ARK Investment Managementが運用するアクティブETFです。

ARK公式では、主な投資テーマとしてAutonomous Mobility(自律移動)、Intelligent Devices、Advanced Battery Technologies、Adaptive Robotics、Neural Networks、Reusable Rockets、3D Printingなどを挙げています。

そのためBOTZよりも、既存の産業用ロボット市場だけでなく、自動運転・ロボタクシー・次世代ロボット・AIを搭載した自律システムなど、これから市場が大きくなる可能性のある分野への投資色が強い商品です。

一方、ARKQはアクティブ運用であり、ARK自身も広範な市場平均より値動きが大きくなる可能性をリスクとして明記しています。

したがって、フィジカルAIの将来成長を積極的に狙いたい投資家向けである一方、BOTZなどに比べて値動きには注意が必要です。

2638は日本のフィジカルAI関連企業に集中

2638 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETFは、日本企業だけでフィジカルAI・ロボティクス・AI関連へ投資できる東証ETFです。

Global X Japanは公式サイトで、AIの進化がソフトウェアだけではなく、産業機械や自動化設備、次世代デバイスと融合し、「現実世界で価値を生み出すフィジカルAIへ広がっている」と説明しています。

ファンドはIndxx Japan Robotics & AI Index(配当込み)への連動を目指します。

特に注目したいのが、ファナック、ダイフク、キーエンス、SMC、THK、安川電機、ナブテスコなど、日本が世界的な競争力を持つFA・ロボット・センサー・駆動部品へまとめて投資できる点です。

2638=日本のフィジカルAI「実機側」をまとめて買いたい場合に注目したいETF

ロボテックはAI半導体からロボットまで世界分散

ロボット・テクノロジー関連株ファンド -ロボテック-は、大和アセットマネジメントが運用する国内投資信託です。

2026年10月6日時点の純資産総額は3,098.52億円で、今回比較する国内投資信託の中では非常に大きな規模です。

ロボテックの特徴は、日本の産業用ロボット企業だけでなく、海外のAI・半導体・自動化関連企業まで世界規模で投資できる点です。

そのため、2638が「日本のロボット・FA・機械部品」に強いのに対し、ロボテックは「世界のAI・半導体+ロボット・自動化」をまとめて取りに行く商品として考えると違いが分かりやすいでしょう。

iTrustロボはAI・ソフトウェアまで投資対象が広い

iTrustロボは、ピクテ・ジャパンが運用する投資信託で、日本を含む世界のロボティクス関連企業へ投資します。

ピクテ自身も2026年に、生成AIの次の成長テーマとしてフィジカルAIを取り上げています。

ただし、後ほど詳しく確認する組入上位銘柄を見ると、iTrustロボは産業用ロボットだけに集中した商品ではありません。

AI、半導体、ソフトウェア、クラウドなど、「自動化・ロボティクスを可能にする技術全体」を広く投資対象としています。

したがって、ファナックや安川電機のようなロボット実機メーカーへの投資純度だけを見るのではなく、AIによる自動化市場そのものを広く取りに行くファンドと考えた方が実態に近いでしょう。

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フィジカルAI本命・日本株ランキングを比較しながら一覧表で紹介

一覧表の画像

※スマホでは表を横にスクロールできます。
順位 コード・銘柄 10/6終値 予想PER 年初来高値から フィジカルAIでの役割 総合評価
1位 6383 ダイフク 5,899円 約25倍 約-24.9% 自動搬送・物流・半導体工場自動化 A+
2位 6954 ファナック 6,220円 29.31倍 約-30.0% 産業ロボット・FA・AI制御 A+
3位 6273 SMC 76,000円 約28倍 約-12.4% 空圧・アクチュエータ A
4位 6861 キーエンス 81,490円 ― 約-7.3% センサー・画像・測定=「目」 A
5位 6481 THK 6,842円 13.99倍 約-17.0% LMガイド・直動部品 A-
6位 6506 安川電機 4,936円 27.24倍 約-37.6% ロボット・サーボ・モーション制御 決算確認
7位 6268 ナブテスコ 4,987円 約24倍 約-18.4% 精密減速機=ロボットの関節 B+
8位 6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 6,600円 約104倍 約-27.9% 小型精密減速機=ロボットの関節 B・高リスク

※株価は2026年10月6日終値。年初来高値からの下落率は当該終値と年初来高値から算出した概算値です。PERは会社予想を基にした市場データを参照しています。キーエンスは通期業績予想を開示していないため、表では予想PERを「―」としています。

今回のランキングで特に重視したのは、「フィジカルAIに関連している」という物語だけではなく、現在すでに業績・受注へ数字が表れているかです。

その結果、現時点ではダイフクを1位、ファナックを2位としました。

【1位】 ダイフク(6383)|AI時代の自動搬送・物流・半導体工場自動化

今回の8銘柄の中で、2026年10月時点の投資魅力度を最も高く評価したのがダイフク(6383)です。

ダイフクは、工場や物流倉庫などで使用される自動搬送・保管・仕分けシステムの大手企業です。

フィジカルAIというと人型ロボットを想像しがちですが、実際の産業現場では、AIが判断した結果に基づいてモノを搬送し、保管し、仕分ける設備も重要になります。

特にダイフクの場合、すでに半導体生産ライン向けの自動搬送需要が業績へ大きく反映されています。

2026年上期は受注高が31.6%増

2026年12月期の上期実績は、

  • 受注高:4,401億86百万円(前年同期比+31.6%)
  • 売上高:3,555億13百万円(+8.9%)
  • 営業利益:566億80百万円(+10.9%)
  • 経常利益:586億66百万円(+11.7%)
  • 中間純利益:431億43百万円(+14.7%)

となりました。

ダイフクによると、受注高、売上高、営業利益、経常利益、中間純利益はいずれも中間期として過去最高です。

特に受注を牽引したのが、生成AI向け需要の拡大を背景とする半導体生産ライン向けシステムです。

通期業績予想も上方修正

さらにダイフクは2026年8月、通期業績予想を上方修正しました。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
項目 従来予想 8月修正予想
受注高 7,800~8,200億円 8,600~9,000億円
売上高 7,000億円 7,350億円
営業利益 1,050億円 1,130億円
純利益 800億円 865億円

つまりダイフクの場合、

フィジカルAI・自動化という将来テーマだけではなく、「受注増加→売上増加→利益増加」という数字がすでに確認できる

ところが大きな強みです。

10月6日終値は5,899円で、年初来高値7,857円から約25%下の水準です。

予想PERも約25倍で、将来テーマだけで100倍近いPERが付いている銘柄と比較すると、業績とのバランスを取りやすいと判断します。

「テーマ性・業績・受注・価格位置」の4点がそろっていることが、今回ダイフクを1位にした最大の理由です。

【2位】ファナック(6954)|日立とフィジカルAIの共同事業化へ

2位はファナック(6954)です。

ファナックは産業用ロボット、FA、CNCなどで世界的に展開する企業で、もともとフィジカルAIとの親和性が非常に高い企業です。

しかし2026年9月、単なる「関連銘柄」という段階から一歩進みました。

日立と「フィジカルAI実装の共同事業化」へ

ファナックと日立製作所は2026年9月30日、フィジカルAI実装の共同事業化に向けた戦略的パートナーシップを締結しました。

日立のAI技術と、ファナックのAI技術を搭載した産業用ロボットを組み合わせ、まず日立グループの工場を「カスタマーゼロ」として共同実証を行います。

そして両社は、そこで得た実装・運用ノウハウを活用し、2027年度からグローバル顧客への共同展開を目指しています。

対象として挙げられている分野も、

  • 半導体
  • 医薬品
  • ヘルスケア
  • 高機能材料
  • 自動車
  • 物流
  • 食品
  • 造船
  • 農業

と非常に幅広くなっています。

さらにファナックは2026年9月11日、AIが図面を読み取って溶接作業を支援する「AI溶接エージェント」も発表しています。

ファナックは「フィジカルAI関連になる可能性がある会社」ではなく、会社自身がフィジカルAIの実装・事業化へ踏み込み始めています。

株価は年初来高値から約30%調整

10月6日終値は6,220円です。

2026年5月14日の年初来高値8,880円と比較すると、約30%低い水準です。

予想PERは29.31倍で、絶対的に割安とはいえません。

しかし、フィジカルAIというテーマが本格的に事業化される前の段階で、株価が年初来高値から大きく調整している点は注目できます。

また、次回の決算では、ロボット・FA需要の回復だけでなく、フィジカルAI関連の事業展開について新しい説明が出るかどうかも注目ポイントになります。

「フィジカルAI本命企業」という純粋なテーマ評価だけなら、ファナックを1位にしてもおかしくありません。

【3位】 SMC(6273)|ロボットの「筋肉」を支える空圧・アクチュエータ

3位はSMC(6273)です。

SMCは産業界の自動化・省力化を支える自動制御機器メーカーで、会社公表ベースで世界販売シェア36%を掲げています。

フィジカルAIとの関係で重要なのが、空圧機器や電動アクチュエータです。

AIが周囲を認識し、「この部品をつかむ」「この位置まで動かす」と判断しても、現実世界でその命令を実行する装置が必要です。

そこで使われるのが、

  • エアシリンダ
  • 方向制御機器
  • 電動アクチュエータ
  • エアチャック
  • 真空機器
  • 流体制御機器

などです。

SMC=ロボットや自動化設備の「筋肉・動作部分」を支える企業

2027年3月期1Qは大幅増収・増益

2026年8月7日に発表された2027年3月期第1四半期では、

  • 売上高:約2,710億円(前年同期比+35.4%)
  • 営業利益:約740億円(+66.4%)

と大きく伸びました。

業績の強さだけを見れば、今回の8銘柄でもトップクラスです。

一方、10月6日終値は76,000円で、年初来高値86,800円からの下落率は約12%です。

ダイフクやファナックほど大きく調整していません。

そのため、会社の質・フィジカルAIとの接点は非常に高く評価しながらも、「今の価格からの買いやすさ」まで加えて3位としました。

【4位】 キーエンス(6861)|フィジカルAIの「目」を担うセンサー・画像認識

4位はキーエンス(6861)です。

企業の収益力という観点では、今回の8銘柄の中でも最上位クラスです。

フィジカルAIでは、AIが現実世界を理解するために、まず「何が、どこに、どのような状態で存在するのか」を認識する必要があります。

キーエンスが強みを持つ、

  • 各種センサー
  • 画像処理
  • マシンビジョン
  • 測定機器
  • FA機器

は、この「現実世界を見る・測る」工程で重要になります。

フィジカルAIを人間に例えるなら、キーエンスは「目・感覚器」に近い存在です。

1Qは売上高+32.8%、営業利益+44.7%

2027年3月期第1四半期は、

  • 売上高:3,466億21百万円(前年同期比+32.8%)
  • 営業利益:1,870億76百万円(+44.7%)
  • 経常利益:1,967億93百万円(+49.6%)
  • 純利益:1,391億33百万円(+51.0%)

となりました。

営業利益率を単純計算すると約54%で、非常に高い収益力です。

最大の問題は「価格があまり下がっていない」こと

10月6日終値は81,490円です。

年初来高値87,920円からの下落率は約7%にとどまります。

つまり今回の比較では、

「会社として非常に強い」ことと、「現在の株価で最も買いやすい」ことは別

と判断しました。

業績と競争力だけを評価するなら1位候補ですが、新規購入という条件では、より大きく調整しているダイフクやファナックを上位としています。

なお、キーエンスは2026年10月29日に2027年3月期第2四半期決算を公表する予定です。

【5位】 THK(6481)|ロボットを動かす直動部品の「つるはし銘柄」

5位はTHK(6481)です。

THKをフィジカルAI銘柄として考えるとき、最も重要なのがLMガイドです。

LMガイドは、機械の直線運動を滑らかかつ高精度にするための機械要素部品で、

  • 産業用ロボット
  • 工作機械
  • 半導体製造装置
  • FA設備
  • 各種自動化設備

などに使用されます。

AIそのものを開発する会社ではありませんが、ロボットや自動化設備が増えるほど、こうした精密機械部品の重要性も高まります。

その意味でTHKは、フィジカルAI市場の成長に対する「つるはし・部品型銘柄」として注目できます。

8銘柄の中ではPERが低い

10月6日終値は6,842円、予想PERは13.99倍です。

今回の8銘柄では、ファナック約29倍、SMC約28倍、安川電機約27倍、ハーモニック・ドライブ・システムズ約104倍などと比較すると、表面上のPERはかなり低くなっています。

年初来高値8,244円からも約17%下です。

ただし、ここには注意点があります。

THKは輸送機器事業を非継続事業に分類しており、2026年の利益を見る際には事業売却などの影響と、継続事業そのものの利益を分けて確認する必要があります。

そのため、PER13倍台だけを見て「他のロボット関連株より圧倒的に割安」と判断するのは危険です。

THKは、AI人気そのものではなく、ロボット・FA・半導体製造装置の台数増加から恩恵を受ける「部品側」を狙う銘柄として面白い存在です。

ここまでの上位5社を整理すると、

  • 業績・受注・価格位置の総合力:ダイフク
  • フィジカルAI事業化の本命:ファナック
  • ロボットの筋肉:SMC
  • ロボットの目:キーエンス
  • 直動部品のつるはし:THK

となります。

しかし、6位以下にも非常に重要な銘柄があります。

特に安川電機は年初来高値から約38%下まで調整している一方、2026年10月9日に第2四半期決算発表を控えています。

その結果次第では、今回の6位から1~3位へ順位が急上昇する可能性もある「決算待ち銘柄」です。

次章では、安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズの3社を詳しく確認したうえで、「AIの頭脳・目・身体・筋肉」というフィジカルAI関連株の選び方を整理します。

安川電機・ナブテスコ・ハーモニック・ドライブもフィジカルAIで注目

チェックの画像

フィジカルAI本命・日本株ランキングでは、ダイフク、ファナック、SMC、キーエンス、THKを上位5社としました。

しかし、6位以下の安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズも、フィジカルAI市場を考えるうえでは非常に重要な企業です。

特にこの3社は、AIソフトウェアそのものではなく、AIの判断を「現実の動き」に変えるロボット、サーボモーター、精密減速機を持っています。

ただし、3社には大きな違いがあります。

  • 安川電機:ロボット本体+サーボ+AI制御
  • ナブテスコ:産業用ロボットの関節を支える精密減速機
  • ハーモニック・ドライブ・システムズ:小型・高精度ロボット向け精密減速機

つまり、3社ともフィジカルAI関連ですが、投資ポイントは同じではありません。

6位 安川電機(6506)|フィジカルAIの「本命候補」だが10月9日決算を確認

安川電機(6506)は、今回6位としていますが、フィジカルAIとの直接的な関係だけを評価するならトップクラスの企業です。

安川電機は、

  • 産業用ロボット
  • ACサーボモーター
  • コントローラ
  • インバータ
  • モーション制御

などを持ち、AIによる判断を実際の機械動作へ変換するための技術を幅広く保有しています。

つまり安川電機は、フィジカルAIにおいて「身体」だけでなく「神経・運動制御」まで持つ企業と考えることができます。

ソフトバンクとフィジカルAIを使ったハンドリングシステムを実証

安川電機は2026年7月13日、ソフトバンクとフィジカルAIを活用した柔軟な物体のハンドリングシステムの実証を発表しました。

さらに7月15日には、安川電機のAIロボット「MOTOMAN NEXT」とGoogle DeepMindの生成AIを連携させた「エージェンティック・ロボットシステム」の開発も公表しています。

これは非常に重要です。

単に「将来AIとロボットが融合するかもしれない」という段階ではなく、安川電機自身が外部のAI技術企業と連携し、AIが状況を理解してロボットを動かす仕組みを実証・開発し始めています。

安川電機は、「フィジカルAI関連株」というより、すでにフィジカルAIを具体的なロボットシステムへ実装し始めている企業として見ることができます。

なぜ6位なのか?2026年10月9日の2Q決算が重要

テーマ性が強いにもかかわらず6位とした最大の理由は、業績確認のタイミングです。

安川電機の公式IRカレンダーでは、2026年10月9日に2027年2月期第2四半期決算を発表予定です。

つまり、この記事の基準日である2026年10月7日時点では、2日後に重要な決算を控えています。

10月6日終値は4,936円で、年初来高値から約38%下まで調整しているため、価格面ではかなり興味深い位置です。

しかし、株価が大きく下落しているからといって、それだけで「割安」と判断することはできません。

10月9日の決算では、特に次の点を確認したいところです。

  • ロボット事業の受注が回復しているか
  • ACサーボモーター・コントローラ需要が改善しているか
  • 中国・日本・米国の設備投資動向
  • 利益率が改善しているか
  • 通期業績予想の修正があるか
  • MOTOMAN NEXTなどAIロボティクスの事業展開に新しい説明があるか

安川電機の現在の判断

「6位だから魅力が低い」のではなく、「10月9日の決算を確認してから再評価したい銘柄」です。受注・利益率・業績予想に強い改善が確認できれば、1~3位へ順位を上げる余地があります。


7位 ナブテスコ(6268)|産業用ロボットの「関節」を支える精密減速機

ナブテスコ(6268)は、産業用ロボットに使われる精密減速機の重要メーカーです。

ロボットのモーターは、そのままでは高速回転するため、ロボットの関節を高いトルクで正確に動かすには減速機が重要になります。

フィジカルAIを人間に例えるなら、ナブテスコの精密減速機は「関節を動かすための重要機構」に近い存在です。

AIが高度になっても、ロボットが現実世界で正確に動けなければ価値を生み出せません。

そのためフィジカルAI市場が拡大し、産業用ロボットや自律機械の台数が増える場合には、精密減速機にも需要拡大の可能性があります。

精密減速機の受注は2026年2Qも前年同期比プラス

ナブテスコ公式の「受注高の推移」によると、精密減速機の受注高は前年同期比で、

  • 2025年3Q:+11%
  • 2025年4Q:+28%
  • 2026年1Q:+21%
  • 2026年2Q:+23%

と、前年同期比プラスが続いています。

これはフィジカルAIという将来テーマ以前に、産業用ロボット向け精密減速機の需要環境が改善方向にあることを確認する材料になります。

ナブテスコの魅力:ヒューマノイド人気だけを追うのではなく、産業用ロボットの設備投資回復という実需から精密減速機需要を確認できる点。

ロボット専業ではない点は理解しておきたい

ただし、ナブテスコは精密減速機だけの会社ではありません。

鉄道車両用機器、航空機器、商用車用機器、舶用機器、自動ドアなど複数の事業を持っています。

そのためフィジカルAI・ロボット需要が急拡大したとしても、会社全体の業績は他事業の影響も受けます。

逆に言えば、精密減速機だけに依存しない事業分散があります。

今回のランキングでは「フィジカルAIへの利益感応度」を重視したため7位としていますが、精密減速機の受注回復が続く場合には再評価余地があります。

なお、ナブテスコの次回2026年12月期第3四半期決算は、会社公式IRカレンダーで2026年10月30日予定です。


8位 ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)|大化け余地と高PERが同居

ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)も、フィジカルAI・ロボティクス市場では重要な存在です。

同社の「ハーモニックドライブ®」に代表される精密減速機は、小型・軽量・高精度という特徴を持ち、産業用ロボットや各種メカトロニクス機器などに使われます。

特にロボットでは、関節部分をコンパクトかつ高精度に動かすことが重要です。

そのため、将来的にヒューマノイド、小型協働ロボット、高性能産業ロボットなどが大量普及すれば、精密減速機は注目すべき部品の一つになります。

会社自身も自動化・AI半導体関連需要の回復を想定

ハーモニック・ドライブ・システムズは2027年3月期の業績見通しについて、

  • 労働人口減少を背景とした自動化投資の拡大
  • データセンター投資の拡大
  • 生成AIの普及に伴う先端半導体需要の増加

などを背景に、関連設備投資が底堅く推移し、受注高の回復が継続するとの見方を示しています。

2027年3月期の会社予想は、

  • 売上高:745億円
  • 営業利益:85億円
  • 経常利益:82億円
  • 純利益:60億円

です。

業績が本格回復すれば、利益の伸び率が大きくなる可能性があります。

最大の問題は高いバリュエーション

一方、10月6日終値6,600円に対し、予想PERは約104倍でした。

つまり市場は、すでに将来のロボット・自動化需要回復を相当程度期待している可能性があります。

ハーモニック・ドライブの注意点

「フィジカルAI関連だから割安」なのではありません。利益回復が市場期待に届かなければ、高PER修正によって株価が大きく下落する可能性があります。

逆に、ロボット需要の急回復やヒューマノイド向け需要の本格化によって利益が予想以上に増えれば、PERは利益成長によって低下します。

そのため、今回8位としていますが、

「最も安全な銘柄」ではなく、「業績回復が成功した場合の株価弾性が大きい高リスク・高リターン候補」

として見るべき銘柄です。

フィジカルAI関連株は「AIの頭脳・目・身体・筋肉」に分けて考える

注意点の画像

ここまでの8銘柄を比較すると、フィジカルAI関連株をすべて同じ基準で考えるべきではないことが分かります。

フィジカルAIは、一つの企業や一つの技術だけで完成するものではありません。

大まかには、

見る → 考える → 制御する → 動かす → 現実世界で仕事をする

という一連の仕組みで成立します。

そこで投資対象を、「頭脳・目・神経・身体・筋肉・関節・働く場所」に分けると理解しやすくなります。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
役割 必要な技術 代表企業 投資で見るポイント
頭脳 GPU・AI半導体・AIモデル NVIDIAなど AI演算需要、ロボティクス向けプラットフォーム普及
目・感覚器 センサー・画像処理・マシンビジョン キーエンス、オムロンなど 高度な認識・検査・測定需要
神経・制御 サーボ・コントローラ・モーション制御 ファナック、安川電機 AIと機械動作をつなぐ制御技術
身体 産業用ロボット・協働ロボット ファナック、安川電機 ロボット販売台数、受注、AI搭載率
筋肉 空圧・アクチュエータ・直動機構 SMC、THK ロボット・FA設備の台数増加
関節 精密減速機 ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ 産業ロボット・小型ロボット需要、受注回復
働く場所 物流・搬送・工場自動化システム ダイフク 半導体工場・物流センターの自動化投資

「完成品メーカー」だけを探す必要はない

フィジカルAI投資でありがちな考え方が、

「次のNVIDIAはどこか?」

「次のヒューマノイドメーカーはどこか?」

という完成品・プラットフォーム企業だけを探す方法です。

しかし、産業の成長過程では、完成品メーカー以外にも大きな需要が発生します。

例えばロボット1台を作るためには、センサー、サーボモーター、アクチュエータ、直動部品、精密減速機など多くの部品が必要です。

さらにロボットを工場で運用するには、搬送設備やFAシステムも必要になります。

そのため、フィジカルAI市場が本当に大きくなる場合、

「どのヒューマノイドが勝つか」を当てなくても、複数メーカーへ部品や設備を供給する企業が成長する可能性があります。

これは、AIデータセンター投資でGPUメーカーだけでなく、電力、冷却、光通信、半導体製造装置などへ需要が波及する構造と似ています。

日本株では「目・筋肉・関節」に世界競争力のある企業が多い

日本のフィジカルAI関連株を見る場合、AIモデルそのものでは米国企業の存在感が非常に大きい一方、現実世界で機械を高精度に動かす技術では日本企業にも多くの強みがあります。

例えば、

  • センサー・測定:キーエンス
  • 産業ロボット・FA:ファナック、安川電機
  • 空圧制御:SMC
  • 直動部品:THK
  • 精密減速機:ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズ
  • 物流・搬送自動化:ダイフク

などです。

つまり、日本株でフィジカルAIを狙う場合には、米国企業と同じようなAIソフトウェア企業を探すだけではなく、「AIが現実世界へ出てきたときに必要になる機械・部品・設備」を見ることが重要です。

フィジカルAI日本株の見方

AIの目 → キーエンス

AIの神経・身体 → ファナック、安川電機

AIの筋肉 → SMC、THK

AIロボットの関節 → ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ

AIが働く工場・物流 → ダイフク

そして、ここまで読んで「フィジカルAIに投資するならETFと個別株のどちらがよいのか?」と迷う方もいるでしょう。

次章では、フィジカルAI ETFと個別株のメリット・デメリットを比較し、最後に高値掴みやテーマ過熱などの注意点を整理します。

フィジカルAI ETFと個別株はどちらを買うべき?

疑問の画像

ここまで、フィジカルAIに強いETF・ファンドと、日本の個別株を比較してきました。

最後に悩むのが、

「フィジカルAIへ投資するなら、ETFと個別株のどちらがよいのか?」

という問題です。

結論からいえば、どちらが絶対に優れているというものではありません。

「フィジカルAIという産業全体の成長を取りたい」のか、「成長企業を絞ってETF以上の値上がりを狙いたい」のかによって選択肢が変わります。

ETFと個別株の違いを比較

※スマホでは表を横にスクロールできます。
比較項目 ETF・ファンド 個別株
分散 ◎ 複数企業へまとめて投資できる △ 企業固有リスクが大きい
大化けした場合の利益 ○ 他銘柄によって上昇率が薄まる ◎ 本命企業を当てれば株価上昇を直接取れる
銘柄選びの難易度 ○ 比較的低い △ 決算・受注・バリュエーション確認が必要
決算リスク ○ 1社の悪決算の影響を分散しやすい △ 1回の決算で大きく動く場合がある
テーマの取りこぼし ○ 複数分野をまとめて保有できる △ 選んだ企業が勝者になるとは限らない
保有コスト 運用管理費用・経費率などが発生 ファンドとしての継続的な運用管理費用はない
分析の手間 比較的少ない 決算・受注・競争力・株価評価を継続確認
向いている投資 テーマ全体の成長を狙う 本命企業へ集中して高いリターンを狙う

フィジカルAIという「テーマ全体」を買うならETF

フィジカルAIは、まだどの企業が最終的な勝者になるのかを断定できる段階ではありません。

例えばヒューマノイドでも、自動運転でも、今後どの企業の技術・製品が業界標準になるかは変化する可能性があります。

そのため、

  • AI半導体
  • センサー
  • 産業ロボット
  • FA
  • アクチュエータ
  • 精密減速機
  • 自動運転
  • 医療ロボット

などへ幅広く分散できるETFには大きなメリットがあります。

特にBOTZは、世界のAI・ロボット・センサー・自動運転まで幅広く投資でき、2638は日本の産業ロボット・FA・駆動部品への比重が高いという違いがあります。

「どの企業が最終勝者になるか分からないが、フィジカルAI市場そのものは拡大すると考える」という場合には、ETFという選択肢は合理的です。

ETF以上の値上がりを狙うなら個別株

一方、個別企業を分析できるのであれば、個別株にはETFにはない魅力があります。

例えば、ある企業のフィジカルAI関連事業が急成長し、利益が2倍、3倍になった場合、その企業の株価が大きく上昇する可能性があります。

しかしETFでは、その銘柄が大きく上昇しても、他の構成銘柄によって上昇率が薄まります。

今回取り上げた日本株では、

  • ダイフク:すでに受注・業績に自動化需要が表れている
  • ファナック:フィジカルAIの共同事業化へ進んでいる
  • SMC:自動化・ロボットの駆動を支える
  • キーエンス:現実世界を認識するセンサー・画像技術
  • THK:ロボット・FAを支える直動部品
  • 安川電機:AIロボティクス実装を進める
  • ナブテスコ:精密減速機の受注が回復
  • ハーモニック・ドライブ:ロボット関節向け精密減速機の成長期待

と、それぞれ異なる投資ストーリーがあります。

個別株投資では、単に「フィジカルAI関連」という理由だけではなく、そのテーマが売上高・受注・営業利益・EPSへいつ反映されるのかを確認することが重要です。

ETF+個別株という方法もある

ETFか個別株かを、必ず二者択一にする必要もありません。

例えば、フィジカルAI投資の中心をETFにして産業全体へ分散し、そのうえで自分が特に強いと考える企業を個別株で追加する方法もあります。

考え方の一例

コア:BOTZ・2638などでフィジカルAI市場全体へ分散

サテライト:ダイフク・ファナック・SMCなど、自分が特に成長すると判断した個別株

こうすることで、1社にすべてを賭けるリスクを抑えながら、本命企業の成長も直接取りに行くことができます。

ただし、BOTZと2638のように同じ日本企業を重複保有するETFもあるため、ETF+個別株では実質的な銘柄集中度を必ず確認した方がよいでしょう。

フィジカルAI投資の注意点|高値掴み・テーマ過熱・業績とのズレに注意

注意点の画像

フィジカルAIは、AI市場の次の成長領域として非常に注目度の高いテーマです。

しかし、

「フィジカルAI市場が成長する」ことと、「フィジカルAI関連株をいつ買っても儲かる」ことは全く別です。

テーマ投資だからこそ注意すべきポイントがあります。

注意点① 「フィジカルAI関連」というだけで株価が先に上がることがある

株式市場では、実際の利益より先に将来期待を織り込むことがあります。

特にヒューマノイド、AIロボット、自動運転など、将来の市場規模が大きいと期待されるテーマでは、売上高や利益への貢献がまだ小さくても株価だけ先に上昇する場合があります。

その典型的なチェック指標の一つがPERです。

今回比較した銘柄でも、ハーモニック・ドライブ・システムズは2026年10月6日時点で予想PERが約100倍の水準でした。

これは「必ず割高」という意味ではありません。

将来利益が急増すればPERは低下します。

しかし、利益成長が市場期待に届かなければ、

利益が増えているにもかかわらず、PERの低下によって株価が下落する

こともあります。

注意点② 「フィジカルAIの売上」がまだ小さい企業もある

企業がフィジカルAI、ヒューマノイド、AIロボティクスへの取り組みを発表していても、それがすぐに会社全体の売上高・利益へ大きく貢献するとは限りません。

投資判断では、

  • 実証実験なのか
  • 試作品なのか
  • 顧客採用が始まったのか
  • 量産が始まったのか
  • 受注金額が開示されているのか
  • 売上高に計上されているのか
  • 営業利益を押し上げているのか

を分けて見る必要があります。

「フィジカルAIに取り組んでいる」と「フィジカルAIで利益を稼いでいる」は別です。

だからこそ、今回のランキングでは、テーマ性だけではなく受注・売上高・営業利益まで確認しました。

注意点③ ロボット・FAは設備投資サイクルの影響を受ける

産業ロボット、FA、工作機械、半導体製造装置、自動搬送設備などは、企業の設備投資の影響を受けます。

景気が悪化し、企業が設備投資を延期すれば、長期的な成長テーマが変わっていなくても短期的には受注が減る可能性があります。

特に確認したいのが、

  • 半導体設備投資
  • 自動車設備投資
  • 物流施設投資
  • 中国のFA・ロボット需要
  • 北米・欧州の製造業投資

です。

フィジカルAI市場が長期的に成長していても、毎年一直線に業績が増えるとは限りません。

注意点④ 中国市場の影響

日本のFA・産業ロボット企業にとって、中国は重要な市場の一つです。

そのため、中国の設備投資、製造業景況感、現地ロボットメーカーとの競争などによって、日本企業の受注や利益が影響を受ける可能性があります。

フィジカルAIの世界的な成長だけでなく、企業ごとの地域別売上高・受注も確認する必要があります。

注意点⑤ 海外ETFは為替でも損益が変わる

BOTZやARKQなど米国上場ETFへ日本円から投資する場合、ETFそのものの価格だけでなく円と米ドルの為替変動も投資成果に影響します。

例えば、ETFのドル建て価格が上昇しても、大幅な円高になれば円換算での利益が小さくなる場合があります。

逆に円安になれば、ドル建て資産の円換算価値を押し上げる方向に働きます。

海外ETFを選ぶ場合には、株価だけではなく為替リスクも含めて考える必要があります。

注意点⑥ ETFでもテーマ集中リスクはある

ETFには「分散投資」のイメージがありますが、テーマ型ETFはTOPIXやS&P500のような広範な指数とは性格が違います。

例えばBOTZはロボティクス・AI関連企業、2638は日本のロボティクス・AI関連企業に投資対象を絞っています。

そのため、ロボット・AI関連株全体が売られた場合、複数銘柄へ分散していてもETF全体が大きく下落する可能性があります。

ARKQについても、ARK自身が広範な市場平均よりポートフォリオの値動きが大きくなる可能性をリスクとして明記しています。

ETF=低リスクではありません。「1社への集中リスクを減らせる」のがETFであり、「テーマそのものの下落リスク」がなくなるわけではありません。

注意点⑦ ファンドのコストも確認する

ETF・投資信託では、保有中に運用管理費用や経費率などのコストが発生します。

例えば2026年10月時点で、BOTZの経費率は年0.68%、ARKQは年0.75%、2638の運用管理費用は年率0.649%(税抜0.59%)です。

テーマ型ETF・ファンドは、一般的な市場全体型のインデックス商品よりコストが高い場合があります。

長期間保有する場合には、テーマ性や過去のリターンだけでなく、信託報酬・経費率なども確認することが重要です。

フィジカルAI投資で最低限チェックしたい7項目

  1. フィジカルAIと実際の事業がどれだけ近いか
  2. 受注・売上高が本当に増えているか
  3. 営業利益・EPSまで増えているか
  4. 実証段階なのか、量産・商用化段階なのか
  5. PERなどに将来期待が織り込まれ過ぎていないか
  6. 株価が年初来高値からどの位置にあるか
  7. 設備投資・中国・半導体・為替など外部環境に変化がないか

まとめ|フィジカルAI本命ETFと日本株をどう選ぶか

まとめ画像

フィジカルAIは、AIがデジタル空間から現実世界へ進出する大きな技術変化です。

文章や画像を生成するだけではなく、センサーで周囲を認識し、AIが判断し、ロボット・自動運転車・産業機械などを実際に動かす世界へ進みます。

そのため投資対象も、NVIDIAのようなAI半導体だけではありません。

頭脳:AI半導体

目:センサー・マシンビジョン

神経:FA・サーボ・モーション制御

身体:産業ロボット

筋肉:空圧・アクチュエータ・直動部品

関節:精密減速機

働く場所:工場・物流・自動搬送システム

まで大きな産業の裾野があります。

フィジカルAI主要ETF・ファンドの最終整理

※スマホでは表を横にスクロールできます。
目的 第一候補 理由
世界のフィジカルAIをバランスよく狙う BOTZ AI半導体・センサー・ロボット・駆動・自動運転まで幅広い
日本のフィジカルAIを狙う 2638 日本のFA・ロボット・センサー・直動・空圧・減速機に強い
AI半導体+ロボットを世界分散 ロボテック NVIDIA・AMD・TSMCなどと産業自動化企業を同時保有
次世代自律技術の爆発力を狙う ARKQ 自動運転・Adaptive Roboticsなど将来型テーマへの比重が高い
AI・ソフトウェアまで広く自動化を狙う iTrustロボ ソフトウェア・AI・半導体を含む広いロボティクス関連投資

フィジカルAI本命・日本株の最終整理

※スマホでは表を横にスクロールできます。
目的 注目銘柄 注目理由
業績・受注・価格位置の総合力 6383 ダイフク 半導体・物流自動化需要がすでに受注・利益へ反映
フィジカルAI事業化の本命 6954 ファナック AIと産業ロボットを組み合わせた実装・事業化を推進
ロボットの「筋肉」 6273 SMC 空圧・アクチュエータで自動化設備を支える
ロボットの「目」 6861 キーエンス センサー・画像・測定技術と高い収益力
つるはし・直動部品 6481 THK ロボット・FA・半導体製造装置を支えるLMガイド
決算後の逆転候補 6506 安川電機 フィジカルAI実装を進め、10月9日決算が重要
産業ロボットの関節 6268 ナブテスコ 精密減速機の受注回復を確認
高リスク・高成長期待 6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 精密減速機需要の拡大期待。ただし高PERに注意

2026年10月時点で私が特に注目するのは、ETFではBOTZと2638、日本株ではダイフクとファナックです。

ただし、フィジカルAIはまだ成長初期のテーマであり、今後の決算、受注、顧客採用、量産、設備投資動向によって評価順位は変わります。

特に、AI・ロボティクス関連株では、期待が先行すると株価が業績以上に上昇することがあります。

そのため、

フィジカルAI投資で最も重要なこと

「良いテーマを見つける」だけではなく、「そのテーマが企業利益へ変わり始めているか」と「現在の株価にどこまで期待が織り込まれているか」を同時に確認することです。

今後、フィジカルAIが本格的に社会実装されれば、恩恵を受ける企業はロボットメーカーだけではありません。

センサー、FA、サーボ、空圧、アクチュエータ、直動部品、精密減速機、自動搬送など、「AIが現実世界で動くために必要な企業」にも大きな投資機会が広がる可能性があります。

ETFで産業全体の成長を取りに行くのか、それとも個別株で本命企業を狙うのか。

フィジカルAIは、これからも「AIの頭脳」だけではなく「AIの身体」を見ることが重要な投資テーマになりそうです。

※本記事は特定の金融商品・銘柄の売買を推奨するものではありません。株式・ETF・投資信託には価格変動や元本割れのリスクがあります。投資判断は、最新の企業開示・運用会社資料・株価・ご自身の資産状況等を確認したうえで行ってください。