60歳を過ぎたら知っておきたい前立腺がん|検査・治療・合併症対策をやさしく解説

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前立腺がんは、60歳を過ぎた男性にとって他人事ではない病気です。初めのうちは自分では気づきにくく、症状がほとんどないままPSA検査で見つかることもあります。

そのため、「今は特に困っていないから大丈夫」と思っていても、一度も検査を受けたことがない方や、しばらく健康診断から遠ざかっている方は注意が必要です。前立腺がんは、早めに気づくことで治療の選択肢を考えやすくなる病気です。

この記事でわかること

  • 前立腺がんがどんな病気か
  • 症状がなくてもPSA検査が大切な理由
  • 手術・放射線治療・ホルモン療法などの違い
  • 尿もれなど治療後に起こることがある体の変化
  • 60歳を過ぎたら年1回の検査を考えたい理由
最初にお伝えしたいこと
この記事は一般向けのわかりやすい解説です。実際に検査や治療が必要かどうかは、PSA値、MRIや生検の結果、年齢、持病などで変わるため、最終判断は泌尿器科の医師と相談してください。
【NHK チョイス@ 病気になった時】で放送された「前立腺がん 検査・治療・合併症対策」をまとめました。詳しくはこちらをご覧ください。参考:【NHK】チョイス@「前立腺がん 検査・治療・合併症対策」
記事配信:おひとり様TV
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前立腺がんはどんな病気?

前立腺がんは、男性だけにある前立腺にできるがんです。年齢とともに増えやすくなるため、60歳を過ぎたら一度は意識しておきたい病気です。

特徴は、早い段階では目立った症状が出にくいことです。尿の出が悪い、回数が増えるといった症状がなくても見つかることがあるため、「症状がないから安心」とは言い切れません。

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症状がなくても検査が大切な理由

前立腺がんは、体の変化を感じる前に見つかることがあります。そのきっかけとしてよく使われるのが、血液で調べるPSA検査です。

国立がん研究センターでは、前立腺がんの確認の入口としてPSA測定や直腸診が示されており、PSAが高いときには前立腺がんのほか、前立腺肥大症や前立腺炎なども考えられるとされています。

また、国立病院機構東京医療センターでは、PSA検査には転移がんへの進行リスクや前立腺がんによる死亡を下げる利益がある一方で、過剰診断に注意が必要とも説明しています。

60歳を過ぎたら意識したいこと
今は何の症状もなくても、60歳を過ぎて一度も前立腺の検査を受けたことがないなら、年に1回の健康診断や受診の機会にPSA検査について医師へ相談する習慣を持つと安心です。
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60歳を過ぎたら知っておきたいPSA検査

PSA検査は血液検査で調べられるため、比較的受けやすいのが特徴です。国立がん研究センターでは、PSAの基準値は一般に0〜4ng/mLとされ、この値が上がっている場合は前立腺がんなどの可能性をさらに調べる流れになります。

ただし、PSA値が高いからといって、すぐに前立腺がんと決まるわけではありません。必要に応じて、直腸診、超音波検査、MRI検査、前立腺の組織を少し取って調べる生検などを組み合わせて診断します。

PSA検査の流れ

  • まずは血液検査でPSAを調べる
  • 高めだった場合は泌尿器科で詳しい検査を相談する
  • MRIや生検などで、本当にがんなのかを確認する
  • がんだった場合は、進み方に合わせて治療法を選ぶ
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前立腺がんの主な治療法

前立腺がんの検査・治療・合併症対策をやさしく解説の画像

前立腺がんの治療には、すぐに治療せず様子を見る方法、手術、放射線治療、小線源療法、ホルモン療法などがあります。

大切なのは、「前立腺がん=すぐ手術」ではないということです。がんの広がり方や進みやすさ、年齢、体力、持病、今後の暮らし方によって、向いている治療は変わります。

この表は横にスクロールできます。
治療法 どんな方法か 向いているケースの一例 気をつけたいこと
監視療法 すぐに手術や放射線をせず、定期的に検査しながら様子を見る方法 進み方がおだやかと考えられる場合 「放置」ではなく、きちんと通院して見守ることが大切
手術 前立腺を取り除いて、がんをしっかり治すことを目指す方法 体力があり、根治を重視したい場合 尿もれや勃起しにくくなる変化が起こることがある
放射線治療 前立腺に放射線を当ててがんをたたく方法 手術以外で治療を考えたい場合 頻尿、血尿、血便、下痢などが起こることがある
小線源療法 前立腺の中に放射線を出す小さな粒を入れる放射線治療 病状に合っていて、対応施設で治療できる場合 受けられる人が限られるため、医師に確認が必要
ホルモン療法 男性ホルモンの働きを抑えて、がんの勢いを弱める方法 放射線治療と組み合わせる場合や進行例など 性欲低下や勃起しにくさが出ることがある

すぐ治療しない「監視療法」という選択肢

前立腺がんの中には、進み方がゆっくりで、すぐに手術や放射線治療をしなくてもよい場合があります。そうしたときに考えられるのが、定期的に検査をしながら様子を見る監視療法です。

これは「治療しない」のではなく、「必要な時期を見きわめる方法」と考えるとわかりやすいです。体への負担をできるだけ減らしたい人にとって、大切な選択肢になることがあります。

治療後に起こることがある体の変化

前立腺がんの治療では、がんを抑えることだけでなく、治療後の暮らしやすさも大切です。手術や放射線治療、ホルモン療法では、尿もれ、排尿のしづらさ、勃起しにくくなる変化、頻尿や血尿、血便などが起こることがあります。

こうした変化には個人差がありますが、前もって知っておくことで治療法を選びやすくなります。「治療効果」と「その後の生活のしやすさ」の両方を考えることが大切です。

尿もれが続くときの対策

前立腺の手術後に起こる尿もれは、多くの場合、時間の経過とともに改善が見られます。ただし、重い尿もれが長く続く場合は、追加の対策が必要になることがあります。

NHK番組の内容でも、人工尿道括約筋によって改善が期待できることが紹介されており、日本大学医学部附属板橋病院の案内でも、多くは時間とともに改善するが、重度で改善が乏しい場合は人工尿道括約筋という選択肢があると説明されています。

不安を我慢しすぎないことが大切です
手術後の尿もれは、人に相談しにくい悩みです。ですが、長く続く場合でも対策がないわけではないため、「年齢のせいだから」とあきらめず、主治医や泌尿器科に相談してください。

60歳を過ぎたら、年に1回は検査を考えたい理由

前立腺がんは、症状が出る前にPSA検査で見つかることがあります。そのため、60歳を過ぎたら、今つらい症状がなくても、年に1回の健康確認の中で前立腺の検査を意識する意味があります。

とくに、一度もPSA検査を受けたことがない方、最近しばらく健康診断を受けていない方、夜間頻尿や尿の勢いの低下が気になる方は、一度泌尿器科やかかりつけ医に相談するきっかけにしてください。

前立腺がんは、早く見つけることそのものが目的ではなく、その後の選択肢を持ちやすくすることが大切です。毎年1回、「前立腺の検査は受けたかな」と思い出すだけでも、大きな一歩になります。

治療法を選ぶ前に確認したいこと

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前立腺がんの治療を選ぶときは、「がんをどこまでしっかり治したいか」だけでなく、「その後の生活をどう保ちたいか」も大切です。

  • がんがどのくらい進んでいるか
  • すぐ治療が必要か、それとも様子を見られるか
  • 通院や入院の負担はどのくらいか
  • 尿もれなどの変化にどう備えるか
  • 自分がどんな生活を続けたいか

迷うときは、家族と一緒に説明を聞いたり、別の医師の意見を聞いたりするのも一つの方法です。年齢を重ねるほど、「病気を治すこと」と「毎日の生活を保つこと」の両方を考えることが大切になります。

前立腺がんでよくある質問

よくある質問(FAQ)の画像

Q1. 前立腺がんは、症状がなくても見つかるのですか?

A. はい。前立腺がんは初めのうちは自覚症状がほとんどないことも多く、PSA検査がきっかけで見つかることがあります。

Q2. PSA値が高いと、必ず前立腺がんなのですか?

A. いいえ。前立腺肥大症や前立腺炎などでもPSAが高くなることがあります。PSAだけで決まるわけではないため、必要に応じてMRIや生検などで確認します。

Q3. 前立腺がんとわかったら、すぐ手術ですか?

A. そうとは限りません。進み方がおだやかな場合は、定期的に検査を続けながら様子を見る監視療法が選ばれることもあります。

Q4. 手術後の尿もれは治りますか?

A. 多くは時間とともに改善が期待されます。ただし、重い尿もれが長く続く場合は、人工尿道括約筋などの治療が検討されることがあります。

Q5. 60歳を過ぎたら毎年検査を受けたほうがよいですか?

A. 症状がなくても前立腺がんは見つかることがあるため、少なくとも年に1回の健康確認の機会に、PSA検査を受けるべきかをかかりつけ医や泌尿器科へ相談する意識を持つことが大切です。

参考情報