自治体の漫画・新潟県見附市の『安心して感染したい』のマンガが話題に!
「安心して感染したい」!?
新潟県見附市のFacebookページに投稿された衝撃的タイトルの漫画に込められた作者の思い!
「温かい気持ちで感染者をいたわり、見守れるようになりたい」
『安心して感染したい』のマンガが話題に!
この漫画は大きな反響を呼び、コメントは100件近く、シェアは1600件以上に上っている。
隣接する三条市に在住する男性は、「三条にも(感染者が)出ました。御多分に漏れず『誰だ!』『何処の人』など詮索の多い事!」とコメント。
岐阜県に住んでいるという女性も「本当に怖いのは病気ではなく、地域にウイルスを持ち込んだという犯罪者扱いです」と共感を寄せた。
こうした書き込みからは、感染者が地域で後ろ指を指される現状が透けて見える。
しかし感染しないように注意を払っていても、いつ誰が感染してもおかしくないのがコロナウイルスだ。感染者を責めても仕方がない。
見附市役所でFacebookを管理する担当者は、「市では、三密を避ける、新しい生活様式を実践するといった感染症対策を実施しています。
そのおかげで、まだ市内で感染者が出ていません。
だからこそ多くの人は、一人目の感染者になってしまうのではないかと不安に思っているようです」と話す。
漫画については、「見附市で生活する人同士、温かい気持ちで感染者をいたわり、見守れるようになりたいと思った」と共感を寄せた。
漫画【安心して感染したい】新潟県見附市
物騒なタイトルですが…。
丁寧に補強説明すると《もし新型コロナウィルスに感染しても、安心して治療に専念できる見附であって欲しい》ということなんです。
マンガの前半4コマに出てくるセリフ。自分から口にすることはないけれど気持ちはすごく分かります。
仮に見附市で最初の感染者になっても、市民が口を揃えて「一日でも早く完治するといいね!」と心強い励ましを送ってくれるんであれば、安心出来ますよね。
僕が新型コロナウイルスに感染したら、可能な限り自分に起きていることを発信するつもりです。
無知から生じる誤解や、ねじ曲がった噂が広まり、自分の家族や友人までを傷つけるような事態だけは避けたいからです。
明日、自分が感染していないと自信を持って言える人は一人もいないからこそ互いを想い合う空気をまずは自分から創って行きたいと思います。
見附市公式レポーター 村上 徹 (Tooru Murakami)
感染したら村八分にされるという不安
「安心して感染したい」では、住人たちが次々と感染を恐れる発言をする。そのいずれもがコロナウイルスそのものを恐れているというよりは、周囲の目を恐れている発言ばかりだ。
「狭い町で噂になるから一人目の感染者にだけは絶対になりたくないわ~」
「感染したって分かったらこの町ん中ですぐに村八分にされんぞ~」
「周りから陰口叩かれてこの町に住めなくなる」
作者である見附市公式レポーターの村上徹(むらかみとおる)さんは、「周囲の人たちからこうした言葉を聞いてモヤモヤしていた」と話す。
「モヤモヤを形にしようと思って、とりあえず漫画を描き始めたんです。その過程で自分も人の目を気にしていること、わざわざ口に出さなくても同じようなことを思っているところがあると気が付きました。コロナウイルスについては治療法もまだなく、やっぱりみんな怖いですよね。
みんなが感染のリスクに晒されて怖い思いをしているときに、お互いに傷つけ合ったり、いじめにつながるようなことを言うのはやめたいと思いました。そういう自分の気持ちをそのまま漫画にしたんです」
こうした思いを込め、漫画の最後には「誰もが感染する可能性がある中で、こんな声を聞くと『噂するのも村八分にするのも後ろ指さすのも陰口を叩くのもウイルスじゃない。この、「ひと」なんだよなぁ』と、思う。見附人として互いを想い合う温かい『ひと』でありたいと願う」と綴った。
「正直、市内で感染者が出たら『誰なんだろう』『近所じゃないといいな』と思ってしまうと思います。でもそれを口にしたらいじめにつながってしまう。誰が感染しても誹謗中傷しないような空気になってほしいですね」(村上さん)