フィジカルAI ETFおすすめ5選を比較|組入銘柄・騰落率・純資産と本命日本株ランキング

フィジカルAI ETFおすすめ5選を比較|組入銘柄・騰落率・純資産と本命日本株ランキング 株式投資

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生成AIの次の成長領域として、投資家の注目が集まりつつあるのが「フィジカルAI(Physical AI)」です。

ChatGPTのような生成AIが文章・画像・音声などを生み出すのに対し、フィジカルAIは、AIがカメラや各種センサーから現実世界を認識し、状況を判断して、ロボット・自動運転車・産業機械などを実際に動かすところまでを含む技術です。

NVIDIAもフィジカルAIについて、ロボットや自動運転車などの自律システムが、物理世界を認識・理解・推論し、複雑な行動を実行できるようにするAIと説明しています。

投資の視点で重要なのは、フィジカルAIの成長によって恩恵を受けるのがAI半導体メーカーだけではないことです。

AIを動かす半導体に加えて、現実世界を見るためのセンサー・マシンビジョン、機械を制御するFA・サーボモーター、ロボットを実際に動かすアクチュエータ・空圧機器・精密減速機・直動部品、そして産業用ロボットや物流自動化設備まで、非常に大きな産業の裾野があります。

そこでこの記事では、フィジカルAI関連への投資手段として、米国ETFのBOTZ、ARKQ、日本株ETFのグローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF(2638)、投資信託のロボテック、iTrustロボを比較します。

単に「どのファンドが最近上がったのか」だけではなく、1年間・6ヶ月・3ヶ月の騰落率、純資産総額、組み込み銘柄ベスト10、フィジカルAIへの投資純度まで確認します。

さらに後半では、ETFの組み入れ銘柄を手掛かりに、ダイフク、ファナック、SMC、キーエンス、THK、安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズなどを比較し、「フィジカルAI本命・日本株ランキング」も解説します。

※本記事のETF・投資信託・株価・純資産総額・騰落率・組入銘柄等は、原則として2026年10月時点で各運用会社・企業が公表している公式情報を優先して確認しています。ETFと投資信託では基準価額・市場価格・基準通貨・算出基準日などが異なるため、騰落率は完全に同一条件の比較ではない点にご注意ください。

この記事でわかること

  • フィジカルAIとは何か?生成AIとの違い
  • フィジカルAIに強い主要ETF・ファンド5本の特徴
  • 1年間・6ヶ月・3ヶ月の騰落率比較
  • 主要ETF・ファンドの純資産総額比較
  • 各ETF・ファンドの組み込み銘柄ベスト10
  • BOTZ・ARKQ・2638・ロボテック・iTrustロボの違い
  • 「フィジカルAIへの投資純度」で見たランキング
  • 2026年10月時点で「今から買うならどれか」の比較
  • BOTZ+2638を組み合わせるメリットと重複銘柄
  • フィジカルAI本命の日本株8銘柄
  • ダイフク・ファナック・SMC・キーエンス・THKなどの比較
  • フィジカルAI関連株を「頭脳・目・身体・筋肉」に分けて考える方法

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この記事を書いた人:ネオ(NEO) / AI市場アナリスト・AIクリエイター

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■記事監修・配信:おひとり様TV編集部

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本記事は、株式市場の仕組みや一般的な取引傾向、ならびに特定の移動平均線データを基にしたテクニカル分析の解説・紹介を目的としたものであり、特定の投資商品・銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。実際の株式投資や資産運用には元本割れのリスクを伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願い申し上げます。本情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当ブログおよび運営者は一切の責任を負いかねます。

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  1. フィジカルAIとは?生成AIとの違いをわかりやすく解説
  2. フィジカルAIに強い主要ETF・ファンド5本を比較
  3. フィジカルAI主要ETF・ファンドの1年間・6ヶ月・3ヶ月騰落率を比較
  4. フィジカルAI主要ETF・ファンドの純資産総額を比較
  5. フィジカルAI主要ETF・ファンドの組み込み銘柄ベスト10の比較一覧表
  6. 【BOTZ】|世界のロボット・AI・センサーをまとめて買えるフィジカルAI ETF
  7. 【ARKQ】|自動運転・ヒューマノイドまで狙う攻めのフィジカルAI ETF
  8. 【2638】 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF|日本のフィジカルAI本命ETF
  9. 【ロボテック】|NVIDIA・半導体・産業ロボットを世界分散で保有
  10. 【iTrustロボ】|運用成績は強いがソフトウェア比率に注意
  11. フィジカルAIへの投資純度で5本をランキング
  12. 2026年10月現在「今から買うなら」フィジカルAI ETF・ファンドランキング
  13. BOTZと2638を組み合わせるメリット|世界のAI頭脳+日本のロボットの身体
  14. ETFの組み込み銘柄から探す「フィジカルAI本命・日本株」8銘柄
  15. フィジカルAI本命・日本株ランキング【2026年10月版】
  16. 【1位】 ダイフク(6383)|AI時代の自動搬送・物流・半導体工場自動化
  17. 【2位】ファナック(6954)|日立とフィジカルAIの共同事業化へ
  18. 【3位】 SMC(6273)|ロボットの「筋肉」を支える空圧・アクチュエータ
  19. 【4位】 キーエンス(6861)|フィジカルAIの「目」を担うセンサー・画像認識
  20. 【5位】 THK(6481)|ロボットを動かす直動部品の「つるはし銘柄」
  21. 安川電機・ナブテスコ・ハーモニック・ドライブもフィジカルAIで注目
  22. フィジカルAI関連株は「AIの頭脳・目・身体・筋肉」に分けて考える
  23. フィジカルAI ETFと個別株はどちらを買うべき?
  24. フィジカルAI投資の注意点|高値掴み・テーマ過熱・業績とのズレに注意
  25. まとめ|フィジカルAI本命ETFと日本株をどう選ぶか
  26. 【補足】フィジカルAI ETFはどこで買える?2638・BOTZ・ARKQの買い方を証券会社別に解説

フィジカルAIとは?生成AIとの違いをわかりやすく解説

疑問の画像

フィジカルAI(Physical AI)とは、AIがデジタル空間の中だけで処理を完結させるのではなく、現実の物理世界を認識し、判断し、実際に行動するためのAIです。

NVIDIAは公式資料で、フィジカルAIによってカメラ、ロボット、自動運転車などの自律システムが、物理世界において「認識・理解・推論・行動」できるようになると説明しています。

さらにNVIDIAの開発者向け資料では、フィジカルAIの主な能力として、現実世界をセンサーで認識すること、物体や空間・物理法則について推論すること、モーターやアクチュエータを通じて行動すること、そして予測できない現実環境に適応することが挙げられています。

つまり、フィジカルAIを非常に簡単に表現すると、

センサーで見る → AIが考える → 機械を制御する → ロボットなどが現実世界で動く

という仕組みです。

【フィジカルAIの構造 | 関連銘柄マップ】

ロボットなどが現実世界で動く

生成AIとフィジカルAIは何が違う?

生成AIとフィジカルAIは対立する技術ではありません。むしろ、生成AIや大規模AIモデルの能力を現実世界へ拡張したものが、フィジカルAIの重要な方向性の一つと考えると理解しやすくなります。

生成AIの代表的な用途は、文章、画像、動画、音声、プログラムなど、主としてデジタル情報を生成することです。

一方のフィジカルAIでは、AIによる判断結果が「機械の動作」につながります。

  • 生成AI:文章を書く、画像を作る、質問に答える
  • AIエージェント:目標に沿って情報を調べたり、複数の作業を自律的に進めたりする
  • フィジカルAI:現実世界を認識し、ロボットや自律機械を実際に動かす

例えば工場なら、従来の産業用ロボットは、あらかじめ決められた動作を正確に繰り返すことを得意としてきました。

フィジカルAIが進化すると、カメラやセンサーから周辺環境を認識し、AIが状況に応じて判断することで、対象物や作業内容が変化してもより柔軟に動けるロボットへ進化することが期待されています。

対象となるのはヒューマノイドだけではありません。

  • 産業用ロボット
  • 協働ロボット
  • 物流・倉庫ロボット
  • 自動搬送システム
  • 自動運転車・ロボタクシー
  • ドローン
  • 医療・手術ロボット
  • 家庭用・サービスロボット
  • AIを搭載した産業機械

など、AIが現実世界で自律的に判断・行動する幅広い分野が対象になります。

投資では「AI半導体」だけを見ていては不十分

フィジカルAIを投資テーマとして考える場合、最も重要なのは「AIの頭脳」だけでなく、「目・神経・身体・筋肉」まで見ることです。

この記事では、フィジカルAI関連企業を大きく次のように整理します。

① AIの頭脳
GPU・AI半導体・AIモデルなど。代表例はNVIDIAなど。

② AIの「目」と感覚器
センサー、画像認識、マシンビジョンなど。日本株ではキーエンスなどが代表例です。

③ AIと機械をつなぐ制御系
FA、サーボモーター、モーションコントロールなど。ファナックや安川電機などが該当します。

④ ロボットの「筋肉・関節」
アクチュエータ、空圧機器、直動部品、精密減速機など。SMC、THK、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズなどが代表例です。

⑤ 実際に働くロボット・自律システム
産業用ロボット、物流自動化、医療ロボット、自動運転、ドローンなど。ファナック、ダイフク、Intuitive Surgical、Aurora Innovationなどが該当します。

このように見ると、フィジカルAIの成長はNVIDIAのようなAI半導体企業だけでなく、センサー・FA・モーター・減速機・空圧・直動部品・物流設備まで波及する可能性があります。

実際、日本で上場する「グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF(2638)」も、公式サイトでAIが産業機械や自動化設備などと融合し、現実世界で価値を生み出すフィジカルAIへ広がっていると説明しています。

同ETFは2026年10月6日時点で純資産総額150.60億円。ファンドの目的は「Indxx Japan Robotics & AI Index(配当込み)」への連動で、ロボティクスやAIに関連する日本企業を投資対象としています。

つまり、フィジカルAI投資では、単に「AI」という名前が付いた銘柄やETFを買うのではなく、AIが現実世界で動き始めたときに、どの企業の製品・部品・設備が必要になるのかまで分解して考えることが重要です。

次章からは、その視点でフィジカルAIに強い主要ETF・ファンド5本を比較していきます。

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フィジカルAIに強い主要ETF・ファンド5本を比較

比較の画像

フィジカルAI関連へ投資できるETF・投資信託は複数ありますが、商品によって「何をフィジカルAIとして取り込んでいるのか」はかなり異なります。

そこでこの記事では、次の5本を主要比較対象とします。

  • BOTZ(Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF)
  • ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)
  • 2638 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF
  • ロボット・テクノロジー関連株ファンド -ロボテック-
  • iTrustロボ

ただし、この5本は同じタイプの商品ではありません。

BOTZとARKQは米国市場に上場するETF、2638は東京証券取引所に上場する日本株ETF、ロボテックとiTrustロボは日本の投資信託です。

また、BOTZや2638のように指数への連動を目指すETFがある一方、ARKQや国内投資信託のように運用方針に基づいて銘柄を選別する商品もあります。

そのため、単純に過去の騰落率だけを比較するのではなく、「どの部分のフィジカルAI成長を取りに行く商品なのか」を見ることが重要です。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
商品 タイプ 主な投資地域 主な投資領域 フィジカルAIでの特徴
BOTZ 米国上場ETF 世界 産業ロボット、FA、AI、医療ロボット、自動運転など AIの頭脳からロボット本体・センサー・駆動系まで広く保有
ARKQ 米国上場・アクティブETF 世界 自動運転、Adaptive Robotics、AI、バッテリー、3Dプリンティングなど 自動運転や次世代ロボットなど将来型フィジカルAIへの攻めが強い
2638
グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF
東証ETF 日本 産業ロボット、FA、センサー、駆動部品、自動化設備など 日本の「ロボットの身体・目・筋肉」に強い
ロボテック 国内投資信託 世界 AI半導体、ロボット、FA、自動化関連企業など AI半導体から産業ロボットまで世界分散しやすい
iTrustロボ 国内投資信託 世界 ロボティクス関連企業、AI、ソフトウェア、半導体など ロボットだけでなくAI・ソフトウェアによる自動化まで広く取り込む

BOTZは「世界のフィジカルAI」をバランスよく保有

BOTZ(Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF)は、ロボティクスとAIの普及によって恩恵を受ける世界の企業への投資を目指す米国上場ETFです。

Global Xの公式説明では、投資対象として産業用ロボット・オートメーション、非産業用ロボット、自動運転車、AIなどが挙げられています。

2026年10月6日時点では81銘柄を組み入れており、上位にはファナック、Intuitive Surgical、NVIDIA、キーエンス、ABB、SMC、ダイフク、Cognexなどが入っています。

つまりBOTZは、NVIDIAのような「AIの頭脳」だけではありません。

キーエンスやCognexなどの「目」、ファナックやABBなどの「身体」、SMCなどの「筋肉・駆動系」まで同時に保有できるのが特徴です。

BOTZ=世界のフィジカルAI産業を「頭脳・目・身体・筋肉」までまとめて保有しやすいETF

ARKQは自動運転・次世代ロボットまで狙う「攻め型」

ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)は、ARK Investment Managementが運用するアクティブETFです。

ARK公式では、主な投資テーマとしてAutonomous Mobility(自律移動)、Intelligent Devices、Advanced Battery Technologies、Adaptive Robotics、Neural Networks、Reusable Rockets、3D Printingなどを挙げています。

そのためBOTZよりも、既存の産業用ロボット市場だけでなく、自動運転・ロボタクシー・次世代ロボット・AIを搭載した自律システムなど、これから市場が大きくなる可能性のある分野への投資色が強い商品です。

一方、ARKQはアクティブ運用であり、ARK自身も広範な市場平均より値動きが大きくなる可能性をリスクとして明記しています。

したがって、フィジカルAIの将来成長を積極的に狙いたい投資家向けである一方、BOTZなどに比べて値動きには注意が必要です。

2638は日本のフィジカルAI関連企業に集中

2638 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETFは、日本企業だけでフィジカルAI・ロボティクス・AI関連へ投資できる東証ETFです。

Global X Japanは公式サイトで、AIの進化がソフトウェアだけではなく、産業機械や自動化設備、次世代デバイスと融合し、「現実世界で価値を生み出すフィジカルAIへ広がっている」と説明しています。

ファンドはIndxx Japan Robotics & AI Index(配当込み)への連動を目指します。

特に注目したいのが、ファナック、ダイフク、キーエンス、SMC、THK、安川電機、ナブテスコなど、日本が世界的な競争力を持つFA・ロボット・センサー・駆動部品へまとめて投資できる点です。

2638=日本のフィジカルAI「実機側」をまとめて買いたい場合に注目したいETF

ロボテックはAI半導体からロボットまで世界分散

ロボット・テクノロジー関連株ファンド -ロボテック-は、大和アセットマネジメントが運用する国内投資信託です。

2026年10月6日時点の純資産総額は3,098.52億円で、今回比較する国内投資信託の中では非常に大きな規模です。

ロボテックの特徴は、日本の産業用ロボット企業だけでなく、海外のAI・半導体・自動化関連企業まで世界規模で投資できる点です。

そのため、2638が「日本のロボット・FA・機械部品」に強いのに対し、ロボテックは「世界のAI・半導体+ロボット・自動化」をまとめて取りに行く商品として考えると違いが分かりやすいでしょう。

iTrustロボはAI・ソフトウェアまで投資対象が広い

iTrustロボは、ピクテ・ジャパンが運用する投資信託で、日本を含む世界のロボティクス関連企業へ投資します。

ピクテ自身も2026年に、生成AIの次の成長テーマとしてフィジカルAIを取り上げています。

ただし、後ほど詳しく確認する組入上位銘柄を見ると、iTrustロボは産業用ロボットだけに集中した商品ではありません。

AI、半導体、ソフトウェア、クラウドなど、「自動化・ロボティクスを可能にする技術全体」を広く投資対象としています。

したがって、ファナックや安川電機のようなロボット実機メーカーへの投資純度だけを見るのではなく、AIによる自動化市場そのものを広く取りに行くファンドと考えた方が実態に近いでしょう。

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フィジカルAI主要ETF・ファンドの1年間・6ヶ月・3ヶ月騰落率を比較

比較の画像

次に、主要5商品の騰落率を比較します。

ここでは正確性を優先し、各運用会社の公式サイトで確認できた最新の期間別騰落率だけを掲載しています。

なお、5商品は基準日や算出方法が完全には一致しません。

国内投資信託は基準価額、米国ETFはNAVまたは市場価格ベースなど違いがあるため、以下の表は「厳密な同一条件での順位表」ではなく、足元の値動きの強弱を確認するための参考比較としてご覧ください。

重要:一次情報で確認できない期間について、二次サイトの数値を使って無理に穴埋めしていません。「―」は、今回確認した運用会社公式ページで同じ期間の数値を確認できなかった項目です。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
ETF・ファンド 3ヶ月 6ヶ月 1年間 基準日 確認基準
iTrustロボ +9.68% +44.00% +44.67% 2026年9月末 ピクテ公式・累計リターン
ロボテック -0.90% +23.94% +28.41% 2026年10月6日 大和AM公式・分配金再投資ベース
2638 -1.02% +22.53% ― 2026年10月6日 Global X Japan公式・基準価額
BOTZ -7.14% ― -0.09% 2026年10月6日 Global X公式・市場価格ベース
ARKQ -14.18% ― +25.49% 2026年8月末 ARK公式・NAVベース

この比較で最も目立つのがiTrustロボです。

2026年9月末時点で、3ヶ月+9.68%、6ヶ月+44.00%、1年間+44.67%と、今回公式情報で確認できた商品の中では非常に強い運用成績となっています。

ただし、ここで注意したいのは、「過去のリターンが最も高い=今から最も買いやすい」ではないことです。

半年で40%を超えて上昇した商品は、それだけ株価が先行している可能性もあります。

2638とロボテックは「半年上昇・直近3ヶ月調整」

現在の値動きとして興味深いのが、2638とロボテックです。

2638は2026年10月6日時点で、

  • 3ヶ月:-1.02%
  • 6ヶ月:+22.53%

ロボテックは、

  • 3ヶ月:-0.90%
  • 6ヶ月:+23.94%
  • 1年間:+28.41%

となっています。

つまり両者とも、半年単位では20%を超えて上昇している一方、直近3ヶ月ではほぼ横ばいから小幅マイナスです。

これは少なくとも、直近3ヶ月まで一直線に上昇し続けている状態ではないことを示しています。

今からフィジカルAIへ新規投資する場合には、こうした「テーマの成長性」と「現在の価格位置」を分けて考えることが重要です。

BOTZは直近1年間ではほぼ横ばい

BOTZは、2026年10月6日時点のGlobal X公式データで、市場価格ベースの3ヶ月騰落率が-7.14%、1年間が-0.09%です。

フィジカルAI関連企業を幅広く組み入れているにもかかわらず、直近1年間のETF価格は大きく上昇していません。

これは必ずしも「BOTZが弱い」という意味ではありません。

むしろフィジカルAIというテーマが今後本格的に業績へ反映されると考える場合、すでに大幅上昇した商品を追いかけるのか、それとも株価が調整している商品を選ぶのかという投資判断につながります。

ARKQは値動きが非常に大きい

ARKQは2026年8月末時点で、3ヶ月-14.18%、1年間では+25.49%でした。

1年間では大きく上昇している一方、直近3ヶ月では二桁下落しており、値動きの大きさが分かります。

ARKQは自動運転、次世代ロボティクス、AI、バッテリーなど将来性の高い分野へ積極的に投資するため、上昇相場では大きなリターンが期待できる反面、テーマ株が売られる局面では下落幅も大きくなりやすい商品です。

騰落率だけで選ばないことが重要

過去半年・1年間で最も上昇した商品が、これから最も上がるとは限りません。

フィジカルAI投資では、「過去の株価上昇率」+「組み入れ銘柄」+「フィジカルAIへの投資純度」+「現在の価格位置」をセットで確認することが重要です。

次に確認したいのが、各ETF・ファンドに実際にどれだけの資金が集まっているのかです。

次章では、BOTZ・ARKQ・2638・ロボテック・iTrustロボの純資産総額を比較し、その後に最も重要な「組み込み銘柄ベスト10比較表」を見ていきます。

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フィジカルAI主要ETF・ファンドの純資産総額を比較

比較の画像

ETFや投資信託を比較するとき、騰落率とあわせて確認しておきたいのが「純資産総額(運用資産残高)」です。

純資産総額が大きいから将来のリターンが高くなるわけではありませんが、どれだけの資金が集まっているのか、商品としてどの程度の規模に成長しているのかを判断する材料になります。

今回比較している5商品について、各運用会社が公表している直近の純資産総額を整理すると、次のようになります。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
ETF・ファンド 純資産総額・運用資産残高 基準日 通貨 特徴
BOTZ 33.7億ドル 2026年10月2日 米ドル 世界のロボティクス・AI ETFとして大きな資産規模
ARKQ 18.57億ドル 2026年8月31日 米ドル 自動運転・ロボティクスなどに集中するアクティブETF
ロボテック 約3,098億円 2026年10月6日 円 国内投資信託として非常に大きな資産規模
iTrustロボ 213.56億円 2026年10月6日 円 AI・ソフトウェア・半導体を含むロボティクス関連ファンド
2638
グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF
150.60億円 2026年10月6日 円 日本のロボティクス・AI関連企業に集中する東証ETF

注意したいのは、BOTZ・ARKQは米ドル、残り3本は円で公表されているため、この表だけで5本の規模を単純に順位付けすることはできないという点です。

為替レートを使って円換算すれば比較できますが、為替は日々変動するため、ここでは運用会社が実際に公表している通貨のまま掲載しています。

同一通貨で比較すると、米ドル建ての2本ではBOTZの33.7億ドルがARKQの18.57億ドルを上回ります。

一方、円建て3商品では、ロボテックが約3,098億円と圧倒的に大きく、iTrustロボの213.56億円、2638の150.60億円と続きます。

国内商品だけで見ると、ロボテックは純資産規模で突出しています。ただし「資金が多く集まっている=フィジカルAIへの投資純度が最も高い」という意味ではありません。中身の確認が重要です。

そこで次に、この5商品が「実際に何を買っているのか」を見ていきます。

フィジカルAI主要ETF・ファンドの組み込み銘柄ベスト10の比較一覧表

一覧表の画像

フィジカルAI ETF・ファンドを比較するとき、最も重要なのが組み入れ銘柄の中身です。

商品名に「AI」「ロボティクス」と付いていても、産業ロボットの比率が高いもの、AI半導体が多いもの、ソフトウェア企業が中心のもの、自動運転や次世代ロボットへ積極投資するものなど、構成は大きく異なります。

そこで、主要5商品の上位10銘柄を横並びにすると、次のようになります。

組入銘柄の基準日について

BOTZは2026年10月2日、ロボテックとiTrustロボは2026年8月31日の公式資料を使用しています。

2638については、2026年8月の指数リバランス後にGlobal X Japanが公表した「Indxx Japan Robotics & AI Index」の2026年8月24日時点の指数構成を掲載しています。ETFの実際の保有比率とはわずかに異なる場合があります。

ARKQは組入銘柄が随時変更されるアクティブETFです。今回、上位10銘柄を順位まで一次資料で確認できた公式四半期資料は2026年3月31日時点のため、この表ではそのデータを使用しています。したがって、ARKQだけ基準日が古く、現在の組入順位と同一とは限りません。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
順位 BOTZ
2026/10/2
ARKQ
2026/3/31
2638・対象指数
2026/8/24
ロボテック
2026/8/31
iTrustロボ
2026/8/31
1 ファナック
8.27%
テスラ
10.1%
ダイフク
8.0%
エヌビディア セールスフォース
6.1%
2 Intuitive Surgical
8.16%
テラダイン
8.9%
ファナック
8.0%
AMD サービスナウ
5.8%
3 エヌビディア
8.08%
Kratos Defense & Security Solutions
6.5%
FUJI
8.0%
TSMC アトラシアン
5.1%
4 キーエンス
8.05%
AMD
4.8%
キーエンス
8.0%
アマゾン・ドット・コム アルファベット
4.9%
5 ABB
8.04%
Rocket Lab
4.6%
オムロン
8.0%
テラダイン ASMLホールディング
4.5%
6 SMC
4.87%
Deere & Company
4.5%
SMC
8.0%
三菱電機 スノーフレーク
4.2%
7 ダイフク
3.50%
Palantir Technologies
4.5%
THK
8.0%
ファナック エヌビディア
4.1%
8 Cognex
2.73%
Alphabet
3.5%
安川電機
8.0%
キーエンス 台湾セミコンダクター(TSMC)
3.8%
9 Shenzhen Inovance Technology
2.47%
L3Harris Technologies
3.5%
サイバーエージェント
7.5%
インフィニオンテクノロジーズ ワークデイ
3.7%
10 Aurora Innovation
2.42%
AeroVironment
3.2%
ナブテスコ
6.7%
シュナイダーエレクトリック ブロードコム
3.5%

※ロボテックの組入上位10銘柄は、大和アセットマネジメントの2026年8月31日付月次レポートに掲載された投資先ファンドの上位銘柄です。比較表では銘柄順位を掲載し、比率は省略しています。組入銘柄・比率は運用によって随時変化します。

BOTZは「AIの頭脳・目・身体・筋肉」がそろっている

上位10銘柄の中身を見ると、BOTZはフィジカルAIを構成する各レイヤーが非常にバランスよくそろっています。

例えば、エヌビディアはAI演算を担う「頭脳」、キーエンスとCognexはセンサーやマシンビジョンを担う「目」、ファナックとABBは産業ロボット・FAを担う「身体」、SMCは空圧制御などロボットを動かす「筋肉」に近い役割を持ちます。

さらにダイフクは物流・工場の自動搬送、Aurora Innovationは自動運転という具合に、フィジカルAIが実際の社会・工場・物流へ広がったときに恩恵を受ける企業が一つのETFに集まっています。

BOTZの強みは「NVIDIAを持っていること」だけではありません。AIが考え、認識し、機械を動かすところまでを1本でカバーしやすいことが最大の特徴です。

2638は日本の「ロボットの身体」に非常に強い

2638の対象指数は、2026年8月のリバランスで大きく性格が変わりました。

指数の対象サブテーマから「半導体」と「コンピュータ支援設計およびデータ処理」が削除され、新たに「ヒューマノイド技術」が追加されました。

リバランス後の上位を見ると、ダイフク、ファナック、FUJI、キーエンス、オムロン、SMC、THK、安川電機がそれぞれ8.0%となっています。

ここには、

  • ファナック・安川電機:産業用ロボット、サーボ、FA
  • キーエンス・オムロン:センサー、画像処理、制御
  • SMC:空圧・アクチュエータ
  • THK:LMガイドなど直動部品
  • ナブテスコ:精密減速機
  • ダイフク:自動搬送・物流自動化

といった、日本が世界的に強いロボット・FA関連企業が並びます。

そのため2638は、AI半導体を大量に持つETFというより、「AIが現実世界で機械を動かすときに必要になる日本企業」へまとめて投資するETFとして見る方が分かりやすいでしょう。

ロボテックは「AI半導体+産業自動化」の世界分散型

ロボテックはBOTZや2638とは少し違います。

2026年8月31日時点の上位には、エヌビディア、AMD、TSMCなどのAI・半導体企業と、テラダイン、三菱電機、ファナック、キーエンス、シュナイダーエレクトリックなどのロボット・FA・自動化関連企業が同時に入っています。

大和アセットマネジメントも、ロボテックについて、ロボット関連産業だけでなく、製造・運輸・ヘルスケアなどで自動化を行う企業、それらを下支えする半導体やソフトウェア企業にも投資すると説明しています。

そのため、

2638
日本のロボット・FA・センサー・駆動部品に集中

ロボテック
世界のAI半導体+ロボット+FA+自動化へ幅広く分散

という違いがあります。

iTrustロボはソフトウェア・AIの比率が高い

iTrustロボの上位銘柄を見ると、BOTZや2638との違いが非常に分かりやすく表れています。

1位セールスフォース、2位サービスナウ、3位アトラシアン、4位アルファベット、6位スノーフレーク、9位ワークデイなど、ソフトウェア・クラウド・AI関連企業が上位に多く入っています。

一方でASML、エヌビディア、TSMC、ブロードコムといった半導体・半導体製造装置企業も上位です。

つまりiTrustロボは、「産業用ロボットそのもの」に集中する商品というより、ロボティクス・自動化を支えるAI、ソフトウェア、半導体まで広く投資するファンドです。

この構成が近年の高い運用成績につながった一方、「フィジカルAIの実機を直接買いたい」という目的では、BOTZや2638とは性格が異なります。

ARKQは自動運転・ヒューマノイドなど将来市場への比重が大きい

ARKQは5商品の中でも特に「将来のフィジカルAI市場」を積極的に狙う商品です。

2026年3月31日時点の公式四半期資料では、最大のテーマがAutonomous Mobility(自律移動)40.8%で、さらにHumanoid Robots(ヒューマノイドロボット)10.7%が組み込まれていました。

上位にはテスラ、テラダイン、Kratos Defense & Security Solutions、AMD、Rocket Lab、Deere、Palantirなどが並びます。

産業用ロボットの現在の需要だけではなく、ロボタクシー、自律走行、ヒューマノイド、ドローン、自動化された農機・産業機械など、今後大きくなる可能性のある市場へ積極的に投資する構成です。

ただしARKQはアクティブETFであり、組入銘柄は機動的に変更されます。上表のARKQだけは2026年3月31日時点の公式データであるため、現在の投資判断では必ず最新の保有銘柄を確認する必要があります。

組み込み銘柄を見ると5本の違いは明確

  • BOTZ:AIの頭脳・センサー・ロボット・駆動系をバランスよく保有
  • ARKQ:自動運転・ヒューマノイドなど次世代フィジカルAIを積極的に狙う
  • 2638:日本の産業ロボット・FA・センサー・駆動部品に非常に強い
  • ロボテック:世界のAI半導体+ロボット+自動化を幅広く保有
  • iTrustロボ:AI・ソフトウェア・半導体まで含めた自動化テーマを広く保有

この違いを踏まえると、「過去の騰落率が高い商品」を選ぶだけではなく、自分がフィジカルAIのどの部分へ投資したいのかを決めることが重要です。

次章では、BOTZ・ARKQ・2638・ロボテック・iTrustロボをさらに詳しく分析し、「フィジカルAIへの投資純度ではどれが最も強いのか」を比較していきます。

【BOTZ】|世界のロボット・AI・センサーをまとめて買えるフィジカルAI ETF

BOTZ(Global X Robotics & Artificial Intelligence ETF)は、ロボティクスとAIの普及によって恩恵を受ける世界企業へ投資する米国上場ETFです。

運用会社のGlobal Xによると、投資対象には産業用ロボット・オートメーション、非産業用ロボット、自動運転、AIなどが含まれます。

2026年10月2日時点では、純資産総額は33.7億ドル、組入銘柄数は81銘柄、経費率は0.68%です。

さらに、2026年8月31日時点のセクター構成は、

  • 資本財・産業関連(Industrials):43.7%
  • 情報技術(Information Technology):38.4%
  • ヘルスケア:8.4%
  • コミュニケーション・サービス:3.9%
  • 一般消費財:3.5%

となっており、単なる「AI半導体ETF」ではないことが分かります。

2026年10月2日時点の上位には、ファナック、Intuitive Surgical、NVIDIA、キーエンス、ABB、SMC、ダイフク、Cognex、Shenzhen Inovance Technology、Aurora Innovationなどが並びます。

この構成をフィジカルAIの役割に置き換えると、非常に分かりやすくなります。

AIの頭脳:NVIDIA

AIの目:キーエンス、Cognex

ロボット・FA:ファナック、ABB

ロボットの筋肉・駆動:SMC

工場・物流自動化:ダイフク

自律移動:Aurora Innovation

つまりBOTZは、AIが計算する「頭脳」だけでなく、現実世界を認識する「目」、ロボットを動かす「身体・筋肉」、さらに自動運転まで含んでいます。

そのため、この記事ではBOTZを「世界のフィジカルAIを比較的バランスよく保有できるETF」と評価します。

BOTZのポイント:AI半導体だけに集中せず、「AIが考える→見る→機械を動かす」というフィジカルAIの複数レイヤーへまとめて投資しやすい。

一方で、ファナック、キーエンス、ABB、NVIDIA、Intuitive Surgicalなど上位銘柄への比率が比較的大きいため、これら主要銘柄の株価が下落した場合にはETF全体も影響を受けます。

また、日本から米国上場ETFへ投資する場合は、株価だけでなく為替変動の影響も考える必要があります。

【ARKQ】|自動運転・ヒューマノイドまで狙う攻めのフィジカルAI ETF

ARKQ(ARK Autonomous Technology & Robotics ETF)は、ARK Investment Managementが運用するアクティブETFです。

ARKQは通常、資産の少なくとも80%を、自律技術やロボティクスなどの破壊的イノベーションに関連する国内外企業へ投資するとしています。

主な対象分野には、

  • Autonomous Mobility(自律移動)
  • Intelligent Devices(インテリジェントデバイス)
  • Advanced Battery Technologies(先進バッテリー技術)
  • Automation and Manufacturing(自動化・製造)
  • Artificial Intelligence(AI)
  • Transportation(輸送)

などがあります。

2026年3月31日時点のARK公式資料では、技術テーマ別構成の最大分野はAutonomous Mobilityが40.8%でした。

さらに、

  • Advanced Battery Technologies:13.0%
  • Humanoid Robots:10.7%
  • Next Gen Cloud:9.9%
  • Reusable Rockets:8.7%
  • Intelligent Devices:8.1%
  • Neural Networks:7.8%

という構成でした。

ここがBOTZとの大きな違いです。

BOTZが現在すでに大きな事業を持つ産業ロボット・FA・センサー企業を多く保有するのに対し、ARKQは自動運転、ヒューマノイド、AI、自律型機械など、これから大きく成長する可能性がある市場への投資色がより強くなっています。

ARKQのポイント:現在の産業ロボット市場だけではなく、自動運転・ヒューマノイドなど「次世代フィジカルAI」の成長を先回りして狙うETF。

その反面、ARKQは指数連動型ではなくアクティブ運用です。

運用チームの判断によって組入銘柄や比率が変わるため、BOTZや2638のような指数連動ETF以上に、定期的なポートフォリオ確認が重要になります。

また、自動運転やヒューマノイドなどは将来の市場規模に大きな期待がある一方、現時点では利益貢献が十分ではない企業も含まれ得ます。

そのため、ARKQは「安定性よりも将来の爆発力を狙うタイプ」として位置付けるのが分かりやすいでしょう。

【2638】 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF|日本のフィジカルAI本命ETF

日本株だけでフィジカルAIへ投資したい場合、注目したいのが2638 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETFです。

Global X Japanは公式サイトで、AIの進化について、ソフトウェアだけにとどまらず、産業機械や自動化設備、次世代デバイスと融合して「現実世界で価値を生み出すフィジカルAI」へ広がっていると説明しています。

2638が特に興味深くなったのが、2026年7月31日に公表された対象指数の構築方法変更です。

従来の8サブテーマから、

  • コンピュータ支援設計およびデータ処理
  • 半導体

が独立した対象サブテーマとして削除され、新しく、

「ヒューマノイド技術」

が追加されました。

変更後の7サブテーマは、

  • 産業用ロボット・自動化
  • 無人機・ドローン
  • 非産業用ロボット
  • AI
  • IoT
  • ビッグデータ
  • ヒューマノイド技術

となっています。

さらに、2026年8月24日時点のリバランス後の対象指数は22銘柄で構成され、上位には、

  • ダイフク:8.0%
  • ファナック:8.0%
  • FUJI:8.0%
  • キーエンス:8.0%
  • オムロン:8.0%
  • SMC:8.0%
  • THK:8.0%
  • 安川電機:8.0%
  • サイバーエージェント:7.5%
  • ナブテスコ:6.7%

などが入っています。

さらにCKD、ハーモニック・ドライブ・システムズ、オークマ、オプテックスグループ、Terra Droneなども組み込まれています。

この構成の大きな特徴は、AIのソフトウェアだけではなく、ロボットが現実世界で動くために必要な日本企業が非常に多いことです。

見る:キーエンス、オムロン、オプテックスグループ

制御する:ファナック、安川電機

動かす:SMC、THK、CKD

関節・減速:ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズ

工場・物流を自動化:ダイフク、FUJI、オークマ、平田機工

つまり2638は、NVIDIAのようなGPU企業を中心に買うETFではありません。

むしろ、

「AIが現実世界で動き始めたとき、そのロボットや工場設備を誰が作り、誰の部品が使われるのか?」

という視点で日本株へ投資するETFです。

2026年10月6日時点では、純資産総額150.60億円、運用管理費用は年率0.649%(税抜0.59%)です。

期間別騰落率は、

  • 1ヶ月:+8.32%
  • 3ヶ月:-1.02%
  • 6ヶ月:+22.53%

となっています。

半年では上昇している一方、3ヶ月では小幅マイナスとなっているため、少なくとも直近3ヶ月まで一直線に上昇し続けている商品ではありません。

2638のポイント:日本が世界的な競争力を持つ産業ロボット・FA・センサー・直動部品・空圧・精密減速機など、「フィジカルAIの身体側」へ集中して投資しやすい。

【ロボテック】|NVIDIA・半導体・産業ロボットを世界分散で保有

ロボット・テクノロジー関連株ファンド -ロボテック-は、大和アセットマネジメントが運用する国内投資信託です。

2026年10月6日時点の純資産総額は3,098.52億円で、今回比較している国内のフィジカルAI・ロボティクス関連商品の中では非常に大きな資産規模となっています。

ロボテックは、実質的にBNPパリバ・アセットマネジメントが運用するグローバル・ロボット関連株式ファンドを主要投資対象としています。

2026年8月31日時点では、実質投資先の業種別構成で、

  • 半導体・半導体製造装置:37.6%
  • 資本財:25.4%
  • ソフトウェア・サービス:9.0%
  • テクノロジー・ハードウェアおよび機器:8.7%
  • ヘルスケア機器・サービス:6.3%

などとなっています。

また、国・地域別では、

  • 米国:57.2%
  • 日本:18.7%
  • ドイツ:6.7%
  • 台湾:3.8%
  • フランス:2.5%

などとなっており、世界に分散されています。

上位10銘柄は、2026年8月31日時点で、

  1. エヌビディア:6.2%
  2. アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD):4.7%
  3. インフィニオンテクノロジーズ:4.1%
  4. 台湾積体電路製造(TSMC):3.8%
  5. アマゾン・ドット・コム:3.8%
  6. ファナック:3.7%
  7. 三菱電機:3.6%
  8. テラダイン:3.5%
  9. ブロードコム:3.1%
  10. ダイフク:3.0%

です。

この構成を見ると、ロボテックの性格がよく分かります。

NVIDIA、AMD、TSMC、インフィニオン、ブロードコムなどAI・半導体を支える企業と、ファナック、三菱電機、ダイフクなど現実世界の自動化を担う企業を同時に保有しています。

ロボテックのポイント:「フィジカルAIだけ」に特化するのではなく、AI半導体から産業用ロボット・FA・自動化まで世界規模で分散して投資できる。

一方、半導体・半導体製造装置の構成比が37%を超えているため、2638と比較すると「ロボットの身体」そのものへの投資純度は低く、AI半導体市場の影響も大きいファンドです。

これは弱点とは限りません。

フィジカルAIの普及にはAI計算能力そのものも必要になるため、「AI半導体の成長もロボット市場の成長も両方取りたい」場合には、むしろ大きなメリットになります。

【iTrustロボ】|運用成績は強いがソフトウェア比率に注意

注意点の画像

iTrustロボは、ピクテ・ジャパンが運用する国内投資信託で、主に日本を含む世界のロボティクス関連企業の株式へ投資します。

2026年10月6日時点の基準価額は102,156円、純資産総額は213.56億円です。

また、2026年9月末時点の累計リターンは、

  • 1ヶ月:-2.27%
  • 3ヶ月:+9.68%
  • 6ヶ月:+44.00%
  • 1年間:+44.67%

となっており、今回比較した商品群の中でも非常に強い値動きとなっています。

しかし、iTrustロボを「産業用ロボットETF」のように考えるのは正確ではありません。

2026年8月31日時点の上位10銘柄を見ると、

  1. セールスフォース:6.1%
  2. サービスナウ:5.8%
  3. アトラシアン:5.1%
  4. アルファベット:4.9%
  5. ASMLホールディング:4.5%
  6. スノーフレーク:4.2%
  7. エヌビディア:4.1%
  8. 台湾セミコンダクター(TSMC):3.8%
  9. ワークデイ:3.7%
  10. ブロードコム:3.5%

となっています。

上位にはセールスフォース、サービスナウ、アトラシアン、スノーフレーク、ワークデイなどソフトウェア企業が多く、ASML、NVIDIA、TSMC、ブロードコムなど半導体関連企業も入っています。

つまりiTrustロボは、

「ロボット本体」ではなく、AI・ソフトウェア・半導体を含めて、企業や社会の自動化・ロボティクスを広く捉えるファンド

と考える方が実態に近いでしょう。

ピクテ自身も2026年には、iTrustロボの関連情報として「フィジカルAI」を重要な投資テーマとして取り上げています。

したがってフィジカルAIの成長恩恵を受ける可能性は十分ありますが、ファナック、安川電機、SMC、THK、ナブテスコなどロボットの実機・駆動部品を直接保有したい場合は、2638やBOTZとはかなり性格が違います。

iTrustロボのポイント:過去の運用成績は非常に強い一方、「フィジカルAIの実機側への純度」より、AI・ソフトウェア・半導体を含む広義の自動化テーマへの投資色が強い。


5本は同じ「AI・ロボットファンド」ではない

ここまで5商品を詳しく見ると、同じAI・ロボティクス関連でも、実際の投資対象はかなり異なることが分かります。

BOTZ:
世界のAI・センサー・ロボット・駆動系をバランスよく保有

ARKQ:
自動運転・ヒューマノイドなど「未来のフィジカルAI」への投資色が強い

2638:
日本の産業ロボット・FA・センサー・直動部品・減速機など「身体側」に強い

ロボテック:
世界のAI半導体+ロボット+産業自動化を幅広く保有

iTrustロボ:
AI・ソフトウェア・半導体を含む広義のロボティクス・自動化へ投資

したがって、フィジカルAI投資では「どの商品が一番上がったか」だけを見るのではなく、自分がフィジカルAIのどの部分へ投資したいのかを決めることが重要です。

次章では、この5本を同じ基準で採点し、「フィジカルAIへの投資純度ランキング」と、さらに「2026年10月現在、今から買うならどれか」を分けて比較します。

フィジカルAIへの投資純度で5本をランキング

ランキングの画像

ここまでBOTZ、ARKQ、2638、ロボテック、iTrustロボの中身を確認してきました。

では、「フィジカルAIそのものへ投資する」という目的では、どの商品が最も強いのでしょうか。

ここでは過去の騰落率だけではなく、次のポイントを重視して評価します。

① AIの頭脳、②センサー・マシンビジョン、③産業用ロボット、④FA・駆動部品、⑤自動運転・自律システム、⑥フィジカルAIへの投資集中度です。

なお、以下の点数・順位は運用会社が公表している格付けではなく、この記事で組入銘柄と投資テーマを同一基準で比較した独自評価です。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
順位 ETF・ファンド 独自評価 フィジカルAIでの強み 弱点・注意点
1位 BOTZ 93点 AI半導体・センサー・産業ロボット・駆動・物流・自動運転までバランスが良い 日本からの投資では為替変動にも注意
2位 ARKQ 87点 自動運転・Adaptive Robotics・AIなど次世代の自律技術に強い アクティブ運用で値動きが大きくなりやすい
3位 2638 84点 日本の産業ロボット・FA・センサー・直動・空圧・減速機など「身体側」に非常に強い 日本株限定のため地域分散は小さい
4位 ロボテック 83点 NVIDIA・AMD・TSMCなどAI半導体と産業自動化を世界分散で保有 半導体比率が高く「実機側」への純度では2638に劣る
5位 iTrustロボ 60点台 AI・ソフトウェア・半導体を含めた自動化市場を広く取れる 産業ロボット・駆動部品など実機側への直接的な比率は低め

1位はBOTZ|フィジカルAIの「フルスタック」に近い

フィジカルAIへの投資純度で1位としたのはBOTZです。

最大の理由は、特定の一部分だけではなく、フィジカルAIを構成する複数のレイヤーが上位銘柄にそろっていることです。

NVIDIAがAI演算、キーエンスやCognexがセンサー・マシンビジョン、ファナックやABBが産業ロボット・FA、SMCが空圧・駆動、ダイフクが物流・搬送自動化、Aurora Innovationが自動運転を担います。

BOTZは「AIの頭脳」だけではなく、「目・身体・筋肉・移動」まで含むため、世界のフィジカルAIを1本で取りに行く商品として完成度が高いと評価できます。

2026年10月2日時点の純資産総額は33.7億ドル、組入銘柄数は81銘柄です。

一方で、ファナック、Intuitive Surgical、NVIDIA、キーエンス、ABBなど上位数銘柄の比率が高いため、これらの値動きの影響を受けやすい点には注意が必要です。

2位ARKQ|将来の爆発力では1位候補

2位はARKQです。

ARKQの強みは、既存の産業用ロボット市場だけを見るのではなく、自動運転、Adaptive Robotics、AI、インテリジェントデバイス、先進バッテリーなど、次世代の自律技術へ積極的に投資していることです。

そのため「現在のフィジカルAI産業」を買うBOTZに対して、ARKQは「これから巨大化する可能性があるフィジカルAI市場」を先回りする商品という性格があります。

ただし、将来期待の大きい企業は株価変動も大きくなりやすく、ARKQは5本の中でも特にリスク管理が重要です。

3位2638|「ロボットの身体」なら1位候補

総合では3位としましたが、評価方法を変えると2638が1位になる分野があります。

それが、

「AIが現実世界で動くために必要なロボット・FA・センサー・駆動部品へ投資する」

という視点です。

2638の対象指数では、ダイフク、ファナック、FUJI、キーエンス、オムロン、SMC、THK、安川電機などが上位を占めています。

さらにナブテスコ、CKD、ハーモニック・ドライブ・システムズなども含まれます。

つまり、産業用ロボット、センサー、サーボ、直動部品、空圧機器、精密減速機など、ロボットが実際に動くために必要な「身体側」の企業が非常に多いのが特徴です。

そのため、日本株だけでフィジカルAIに投資したい場合には、この記事では2638を最重要候補と考えます。

ロボテックとiTrustロボは「広義のAI・自動化」まで取り込む

ロボテックはNVIDIA、AMD、TSMCなど半導体関連の比率が高く、AIの計算能力そのものから産業自動化まで広く投資できます。

一方、iTrustロボはセールスフォース、サービスナウ、アトラシアンなどソフトウェア企業も上位に多いため、さらに広い意味で「AIによる自動化」を捉えるファンドです。

したがって、この2本の順位が低いから投資対象として劣っているという意味ではありません。

この記事では「フィジカルAIの実機にどれだけ近いか」を重視したため順位が下がったと考えてください。

2026年10月現在「今から買うなら」フィジカルAI ETF・ファンドランキング

ヒントの画像

ここまでのランキングは、フィジカルAIという「テーマへの投資純度」で評価しました。

しかし実際に投資するときは、それだけでは不十分です。

どれほど優秀なテーマでも、すでに株価が大幅に上昇していれば、高値掴みになる可能性があります。

そこで次は、テーマ純度+直近の値動き+過去1年間の上昇度+現在の買いやすさを加えて、「2026年10月時点で新規資金を入れるなら」という視点でランキングします。

なお、以下も将来の値上がりを保証するものではなく、2026年10月時点の公式データを基にした独自評価です。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
順位 ETF・ファンド 購入評価 直近データで注目する点 現在の判断
1位 BOTZ A+ 2026年9月末の1年間リターンはNAVベース+0.06% フィジカルAI純度が高く、1年単位では大幅上昇後ではない
2位 2638 A 3ヶ月-1.02%、6ヶ月+22.53% 半年では上昇しつつ、直近3ヶ月は調整している
3位 ロボテック A- 3ヶ月-0.90%、6ヶ月+23.94%、1年+28.41% 世界分散と成長性のバランスが良い
4位 ARKQ B+ 2026年8月末時点で3ヶ月-14.18%、1年+25.49% 調整後の反発余地はあるが、値動きの大きさに注意
5位 iTrustロボ B 3ヶ月+9.68%、6ヶ月+44.00%、1年+44.67% 運用成績は非常に強いが、新規一括では高値追いに注意

今からの1位はBOTZ|「強いテーマなのに1年では走り過ぎていない」

2026年10月時点で新規に買うという条件では、この記事ではBOTZを1位と評価します。

理由は、フィジカルAIへの投資純度が高い一方、2026年9月30日時点の過去1年間リターンがNAVベース+0.06%、市場価格ベース-0.09%にとどまっているためです。

これは「今後上昇する」という意味ではありません。

ただし、iTrustロボのように過去1年間で40%を超えて上昇した商品と比較すると、少なくとも「直近1年間ですでに大幅上昇したテーマETFを追いかける」という価格状態ではありません。

さらにBOTZには、ファナック、NVIDIA、キーエンス、ABB、SMC、ダイフクなど、フィジカルAIの成長で恩恵を受ける可能性がある複数のレイヤーが含まれています。

「テーマ純度」と「過去1年間の価格上昇」の両方を見ると、BOTZは現在の5商品の中で比較的バランスが良いと判断します。

2位2638|日本株なら最有力候補

日本株だけで選ぶなら、この記事では2638を1位候補と評価します。

2026年10月6日時点の騰落率は、1ヶ月+8.32%、3ヶ月-1.02%、6ヶ月+22.53%です。

半年では20%を超えて上昇していますが、直近3ヶ月では小幅マイナスです。

つまり、強いテーマへの資金流入は確認できる一方、半年間ずっと一直線に上昇し続けている状態ではありません。

さらに2026年の指数設計変更によって「ヒューマノイド技術」が追加され、ファナック、安川電機、ダイフク、SMC、THK、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズなど、フィジカルAIの「身体側」を支える日本企業をまとめて保有できます。

海外ETFを使わず、円で東証からフィジカルAIへ投資したい場合には非常に分かりやすい選択肢です。

3位ロボテック|迷った場合に選びやすい世界分散型

ロボテックは2026年10月6日時点で、3ヶ月-0.90%、6ヶ月+23.94%、1年間+28.41%です。

純資産総額も約3,098億円と大きく、NVIDIA、AMD、TSMCなどのAI半導体から、ファナック、三菱電機、テラダイン、ダイフクなどのロボット・自動化関連まで世界に分散されています。

2638ほど「フィジカルAIの身体」に集中していませんが、逆に言えば、フィジカルAIだけでなくAI半導体市場そのものの成長も取り込めるのがメリットです。

特定の国や一つのロボット分野へ集中し過ぎたくない場合には、5本の中でも比較的バランスの取りやすい商品です。

4位ARKQ|下落しているからこそ面白いが、リスクも大きい

ARKQは2026年8月31日時点で、3ヶ月-14.18%、1年間+25.49%でした。

直近3ヶ月で二桁下落しているため、価格面だけを見ると過熱した状態からは調整しています。

一方で、自動運転・次世代ロボティクス・AIなど将来期待の大きいテーマへの集中度が高いため、上昇するときだけでなく下落するときの値動きも大きくなりやすい商品です。

したがってARKQは、

「5本の中で最も安全だから買う」のではなく、「値動きの大きさを許容して将来の自律技術に賭ける」タイプのETF

と考えた方がよいでしょう。

5位iTrustロボ|ファンドは強いが「今から一括」は慎重

iTrustロボそのものを低く評価しているわけではありません。

むしろ運用成績は非常に強く、2026年9月末時点で、3ヶ月+9.68%、6ヶ月+44.00%、1年間+44.67%となっています。

しかし、新規投資で重要なのは、

「過去に最も上がった商品」と「これから最も買いやすい商品」は同じではない

という点です。

半年で44%上昇しているため、現在から一括で追いかける場合は、高値掴みのリスクをより慎重に考える必要があります。

また、上位にはセールスフォース、サービスナウ、アトラシアンなどソフトウェア企業が多く、フィジカルAIの実機側への投資純度ではBOTZや2638より低くなります。

そのためこの記事では、「優秀なファンドだが、2026年10月時点で新規一括購入する順位では5位」と評価します。

「テーマランキング」と「今から買うランキング」は分けて考える

ここは非常に重要です。

良いETF・ファンドだから、いつ買っても良いわけではありません。

逆に、直近で株価が下がっているから悪い商品とも限りません。

今回の5本では、フィジカルAIへの投資純度、過去の値動き、現在の価格位置がそれぞれ違います。

世界のフィジカルAIを1本で狙う:BOTZ

日本のフィジカルAI「身体側」を狙う:2638

AI半導体+ロボットを世界分散:ロボテック

自動運転・次世代自律技術の爆発力を狙う:ARKQ

AI・ソフトウェアを含む広い自動化テーマ:iTrustロボ

そして、ここまで比較すると非常に興味深い組み合わせが見えてきます。

それが「BOTZ+2638」です。

BOTZで世界のAI・ロボット・自動運転を取り込みながら、2638で日本が強いFA、サーボ、センサー、空圧、直動部品、精密減速機を補うことができます。

次章では、この「BOTZ+2638」にはどのようなメリットがあるのか、逆にどの銘柄が重複しているのかを詳しく見ていきます。

BOTZと2638を組み合わせるメリット|世界のAI頭脳+日本のロボットの身体

ポイント画像

ここまでの比較で、フィジカルAIへの投資先としてBOTZと2638 グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETFを高く評価しました。

この2本は似たETFに見えますが、実際には投資対象の広がりが異なります。

BOTZは、NVIDIAのようなAI半導体から、ファナック、キーエンス、ABB、SMC、ダイフク、Cognex、Aurora Innovationなど、世界のAI・ロボット・センサー・自動運転へ幅広く投資します。

一方の2638は、日本企業に限定し、産業用ロボット、FA、センサー、空圧機器、直動部品、精密減速機、自動搬送設備など、ロボットや自動化設備を現実世界で動かす「身体側」への比重が大きいETFです。

つまり、2本の性格を簡単に整理すると、

BOTZ:
世界の「AIの頭脳+目+身体+自律移動」を広く保有

2638:
日本の「センサー+FA+ロボット+筋肉+関節」に強い

という違いがあります。

BOTZと2638では一部の日本株が重複している

ただし、BOTZと2638を2本保有すれば、すべてが別々の銘柄になるわけではありません。

2026年10月2日時点のBOTZ上位10銘柄を見ると、日本企業では、

  • ファナック
  • キーエンス
  • SMC
  • ダイフク

が入っています。

この4社はいずれも2638でも重要な構成銘柄です。

したがって、BOTZ+2638を組み合わせる場合には、ファナック・キーエンス・SMC・ダイフクへの実質的な投資比率が高くなる点を理解しておく必要があります。

注意:BOTZと2638の2本を持っても、完全な分散投資にはなりません。両方に入る日本の大型ロボティクス・FA企業については投資比率が重複します。

それでもBOTZ+2638を組み合わせる意味はある

重複銘柄がある一方で、2本を組み合わせることで補完できる部分も大きくあります。

BOTZには、2638では基本的に保有できない海外企業が入っています。

  • NVIDIA:AI演算・ロボティクスAI
  • ABB:産業ロボット・電動化・FA
  • Intuitive Surgical:手術ロボット
  • Cognex:マシンビジョン
  • Aurora Innovation:自動運転
  • Shenzhen Inovance Technology:FA・モーション制御

一方、2638には、日本のフィジカルAIで重要な、

  • 安川電機
  • THK
  • ナブテスコ
  • CKD
  • ハーモニック・ドライブ・システムズ
  • FUJI
  • オークマ
  • 平田機工

などが含まれます。

このため、BOTZだけでは薄くなりやすい日本の精密機械・駆動部品・FA部品を2638で補うという考え方ができます。

BOTZ+2638の考え方

BOTZ:世界のAI頭脳、ロボット、自動運転、医療ロボット

2638:日本のFA、サーボ、センサー、空圧、直動部品、精密減速機

フィジカルAIが今後本格的に普及する場合、AIソフトウェアだけが成長するのではありません。

ロボットの台数が増えれば、サーボモーター、センサー、空圧機器、直動部品、精密減速機などの需要も増える可能性があります。

その意味では、BOTZと2638を組み合わせることで、「AIが考える側」と「AIが現実世界で動く側」の両方へ投資しやすくなります。

BOTZ+2638の役割をフィジカルAIの構造で比較

※スマホでは表を横にスクロールできます。
フィジカルAIの役割 BOTZ 2638
AIの頭脳 ◎ NVIDIAなど △ AI関連企業はあるがGPU中心ではない
センサー・目 ◎ キーエンス、Cognexなど ◎ キーエンス、オムロン、オプテックスなど
産業ロボット ◎ ファナック、ABBなど ◎ ファナック、安川電機など
駆動・筋肉 ○ SMCなど ◎ SMC、THK、CKDなど
関節・減速機 △ ◎ ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ
物流・自動搬送 ○ ダイフク ◎ ダイフクなど
医療ロボット ◎ Intuitive Surgical △
自動運転・自律移動 ◎ Aurora Innovationなど △

このように見ると、BOTZと2638は競合するだけではなく、かなり補完関係にあります。

ただし、2本を保有する場合でも「フィジカルAIだけ」に資産を集中し過ぎないことは重要です。

フィジカルAIは有望な成長テーマですが、設備投資サイクル、世界景気、半導体投資、中国市場、金利、為替などの影響を受けます。

ETFであってもテーマ型商品である以上、広範な株価指数より価格変動が大きくなる可能性があります。

ETFの組み込み銘柄から探す「フィジカルAI本命・日本株」8銘柄

ここまではETF・投資信託を中心に見てきました。

しかし、BOTZと2638の中身を詳しく見ると、もう一つ重要な投資方法が見えてきます。

それが、

「ETFに組み込まれている本命企業を、個別株として直接買う」

という方法です。

ETFは複数銘柄へ分散できるのが最大のメリットですが、成長企業の株価が大きく上昇しても、ETF全体では他の銘柄によって上昇率が薄まります。

逆に個別株では、その企業がフィジカルAI市場の本命になった場合、ETFより大きな株価上昇を狙える可能性があります。

もちろん、その分だけ企業固有のリスクも大きくなります。

そこでこの記事では、BOTZと2638の構成、日本企業の競争力、フィジカルAIとの直接的な関係を踏まえ、次の8社を詳しく比較します。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
コード 銘柄 フィジカルAIでの役割 BOTZ 2638 注目ポイント
6383 ダイフク 物流・工場の自動搬送 ○ ○ 半導体工場・物流倉庫などの自動化需要
6954 ファナック 産業ロボット・FA・制御 ○ ○ 産業ロボットにAIを融合する本命候補
6273 SMC 空圧・アクチュエータ ○ ○ ロボット・自動化設備を動かす「筋肉」
6861 キーエンス センサー・画像・測定 ○ ○ AIが現実世界を認識する「目」
6481 THK LMガイド・直動部品 ― ○ 機械を滑らか・高精度に動かす基幹部品
6506 安川電機 産業ロボット・サーボ・モーション制御 ―※ ○ AIとロボット制御をつなぐ代表企業
6268 ナブテスコ 精密減速機 ― ○ 産業ロボットの関節を支える重要部品
6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 精密減速機 ― ○ 小型・高精度ロボットや関節用途で重要

※「BOTZ」の○・―は、2026年10月2日時点のBOTZ上位10銘柄を基準にしています。「―」はBOTZに一切組み入れられていないという意味ではなく、ここでは上位10銘柄に入っていないことを示します。ETFの組入銘柄・比率は随時変化します。

8社を「頭脳・目・身体・筋肉・関節」に分けると分かりやすい

ロボットなどが現実世界で動く

この8社はすべてフィジカルAI関連と一括りにできますが、実際の役割は大きく異なります。

AIの「目」
キーエンス

AIと機械をつなぐ「神経・制御」
ファナック、安川電機

ロボット・工場を実際に動かす「筋肉」
ファナック、安川電機、ダイフク、SMC、THK

ロボットの「関節」
ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズ

フィジカルAIが働く「工場・物流システム」
ダイフク

この分類は投資を考えるうえでも重要です。

例えばヒューマノイドロボットが普及した場合でも、ロボットメーカーだけが恩恵を受けるとは限りません。

ロボットの台数が増えれば、センサー、モーター、サーボ、アクチュエータ、直動部品、精密減速機などの需要も増える可能性があります。

つまり、フィジカルAIでは完成品メーカーだけでなく、その裏側にある「つるはし・部品企業」にも投資機会が生まれる可能性があります。

ETF採用=必ず株価が上がるわけではない

ここで注意したいのは、BOTZや2638に採用されているからといって、その企業の株価上昇が保証されるわけではないことです。

個別株では、フィジカルAIとの関連性だけではなく、

  • 売上高・営業利益の成長
  • 受注の伸び
  • 利益率
  • PER・PBRなどのバリュエーション
  • 現在の株価位置
  • 中国・米国など地域別需要
  • 設備投資サイクル
  • 為替
  • フィジカルAIが実際に利益へ寄与する時期

まで確認する必要があります。

そこで次章では、この8社についてフィジカルAIとの関連性だけでなく、「2026年10月時点で今から投資する魅力があるのか」まで加えて比較します。

ダイフク、ファナック、SMC、キーエンス、THK、安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズを同じ基準で比較し、「フィジカルAI本命・日本株ランキング」を決定します。

フィジカルAI本命・日本株ランキング【2026年10月版】

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ここからは、ETFではなく日本の個別株に踏み込みます。

前章で取り上げたダイフク、ファナック、SMC、キーエンス、THK、安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズの8社について、フィジカルAIとの関連性だけでなく、「2026年10月時点で今から投資する魅力があるのか」まで加えて比較します。

今回のランキングでは、主に次の項目を評価しています。

  • フィジカルAIとの直接的な関係
  • 直近決算・業績の強さ
  • 受注・設備投資需要の方向
  • 1~2年での利益成長余地
  • PERなど現在のバリュエーション
  • 年初来高値からの調整幅
  • すでに期待が株価へ織り込まれていないか
  • 今後のフィジカルAI関連カタリスト

※2026年10月7日は取引時間中に株価が変動するため、比較条件を統一する目的で株価は2026年10月6日終値を使用しています。

なお、以下の順位は将来の株価上昇を保証するものではなく、2026年10月時点の公開情報を基にした独自評価です。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
順位 コード・銘柄 10/6終値 予想PER 年初来高値から フィジカルAIでの役割 総合評価
1位 6383 ダイフク 5,899円 約25倍 約-24.9% 自動搬送・物流・半導体工場自動化 A+
2位 6954 ファナック 6,220円 29.31倍 約-30.0% 産業ロボット・FA・AI制御 A+
3位 6273 SMC 76,000円 約28倍 約-12.4% 空圧・アクチュエータ A
4位 6861 キーエンス 81,490円 ― 約-7.3% センサー・画像・測定=「目」 A
5位 6481 THK 6,842円 13.99倍 約-17.0% LMガイド・直動部品 A-
6位 6506 安川電機 4,936円 27.24倍 約-37.6% ロボット・サーボ・モーション制御 決算確認
7位 6268 ナブテスコ 4,987円 約24倍 約-18.4% 精密減速機=ロボットの関節 B+
8位 6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 6,600円 約104倍 約-27.9% 小型精密減速機=ロボットの関節 B・高リスク

※株価は2026年10月6日終値。年初来高値からの下落率は当該終値と年初来高値から算出した概算値です。PERは会社予想を基にした市場データを参照しています。キーエンスは通期業績予想を開示していないため、表では予想PERを「―」としています。

今回のランキングで特に重視したのは、「フィジカルAIに関連している」という物語だけではなく、現在すでに業績・受注へ数字が表れているかです。

その結果、現時点ではダイフクを1位、ファナックを2位としました。

【1位】 ダイフク(6383)|AI時代の自動搬送・物流・半導体工場自動化

今回の8銘柄の中で、2026年10月時点の投資魅力度を最も高く評価したのがダイフク(6383)です。

ダイフクは、工場や物流倉庫などで使用される自動搬送・保管・仕分けシステムの大手企業です。

フィジカルAIというと人型ロボットを想像しがちですが、実際の産業現場では、AIが判断した結果に基づいてモノを搬送し、保管し、仕分ける設備も重要になります。

特にダイフクの場合、すでに半導体生産ライン向けの自動搬送需要が業績へ大きく反映されています。

2026年上期は受注高が31.6%増

2026年12月期の上期実績は、

  • 受注高:4,401億86百万円(前年同期比+31.6%)
  • 売上高:3,555億13百万円(+8.9%)
  • 営業利益:566億80百万円(+10.9%)
  • 経常利益:586億66百万円(+11.7%)
  • 中間純利益:431億43百万円(+14.7%)

となりました。

ダイフクによると、受注高、売上高、営業利益、経常利益、中間純利益はいずれも中間期として過去最高です。

特に受注を牽引したのが、生成AI向け需要の拡大を背景とする半導体生産ライン向けシステムです。

通期業績予想も上方修正

さらにダイフクは2026年8月、通期業績予想を上方修正しました。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
項目 従来予想 8月修正予想
受注高 7,800~8,200億円 8,600~9,000億円
売上高 7,000億円 7,350億円
営業利益 1,050億円 1,130億円
純利益 800億円 865億円

つまりダイフクの場合、

フィジカルAI・自動化という将来テーマだけではなく、「受注増加→売上増加→利益増加」という数字がすでに確認できる

ところが大きな強みです。

10月6日終値は5,899円で、年初来高値7,857円から約25%下の水準です。

予想PERも約25倍で、将来テーマだけで100倍近いPERが付いている銘柄と比較すると、業績とのバランスを取りやすいと判断します。

「テーマ性・業績・受注・価格位置」の4点がそろっていることが、今回ダイフクを1位にした最大の理由です。

【2位】ファナック(6954)|日立とフィジカルAIの共同事業化へ

2位はファナック(6954)です。

ファナックは産業用ロボット、FA、CNCなどで世界的に展開する企業で、もともとフィジカルAIとの親和性が非常に高い企業です。

しかし2026年9月、単なる「関連銘柄」という段階から一歩進みました。

日立と「フィジカルAI実装の共同事業化」へ

ファナックと日立製作所は2026年9月30日、フィジカルAI実装の共同事業化に向けた戦略的パートナーシップを締結しました。

日立のAI技術と、ファナックのAI技術を搭載した産業用ロボットを組み合わせ、まず日立グループの工場を「カスタマーゼロ」として共同実証を行います。

そして両社は、そこで得た実装・運用ノウハウを活用し、2027年度からグローバル顧客への共同展開を目指しています。

対象として挙げられている分野も、

  • 半導体
  • 医薬品
  • ヘルスケア
  • 高機能材料
  • 自動車
  • 物流
  • 食品
  • 造船
  • 農業

と非常に幅広くなっています。

さらにファナックは2026年9月11日、AIが図面を読み取って溶接作業を支援する「AI溶接エージェント」も発表しています。

ファナックは「フィジカルAI関連になる可能性がある会社」ではなく、会社自身がフィジカルAIの実装・事業化へ踏み込み始めています。

株価は年初来高値から約30%調整

10月6日終値は6,220円です。

2026年5月14日の年初来高値8,880円と比較すると、約30%低い水準です。

予想PERは29.31倍で、絶対的に割安とはいえません。

しかし、フィジカルAIというテーマが本格的に事業化される前の段階で、株価が年初来高値から大きく調整している点は注目できます。

また、次回の決算では、ロボット・FA需要の回復だけでなく、フィジカルAI関連の事業展開について新しい説明が出るかどうかも注目ポイントになります。

「フィジカルAI本命企業」という純粋なテーマ評価だけなら、ファナックを1位にしてもおかしくありません。

【3位】 SMC(6273)|ロボットの「筋肉」を支える空圧・アクチュエータ

3位はSMC(6273)です。

SMCは産業界の自動化・省力化を支える自動制御機器メーカーで、会社公表ベースで世界販売シェア36%を掲げています。

フィジカルAIとの関係で重要なのが、空圧機器や電動アクチュエータです。

AIが周囲を認識し、「この部品をつかむ」「この位置まで動かす」と判断しても、現実世界でその命令を実行する装置が必要です。

そこで使われるのが、

  • エアシリンダ
  • 方向制御機器
  • 電動アクチュエータ
  • エアチャック
  • 真空機器
  • 流体制御機器

などです。

SMC=ロボットや自動化設備の「筋肉・動作部分」を支える企業

2027年3月期1Qは大幅増収・増益

2026年8月7日に発表された2027年3月期第1四半期では、

  • 売上高:約2,710億円(前年同期比+35.4%)
  • 営業利益:約740億円(+66.4%)

と大きく伸びました。

業績の強さだけを見れば、今回の8銘柄でもトップクラスです。

一方、10月6日終値は76,000円で、年初来高値86,800円からの下落率は約12%です。

ダイフクやファナックほど大きく調整していません。

そのため、会社の質・フィジカルAIとの接点は非常に高く評価しながらも、「今の価格からの買いやすさ」まで加えて3位としました。

【4位】 キーエンス(6861)|フィジカルAIの「目」を担うセンサー・画像認識

4位はキーエンス(6861)です。

企業の収益力という観点では、今回の8銘柄の中でも最上位クラスです。

フィジカルAIでは、AIが現実世界を理解するために、まず「何が、どこに、どのような状態で存在するのか」を認識する必要があります。

キーエンスが強みを持つ、

  • 各種センサー
  • 画像処理
  • マシンビジョン
  • 測定機器
  • FA機器

は、この「現実世界を見る・測る」工程で重要になります。

フィジカルAIを人間に例えるなら、キーエンスは「目・感覚器」に近い存在です。

1Qは売上高+32.8%、営業利益+44.7%

2027年3月期第1四半期は、

  • 売上高:3,466億21百万円(前年同期比+32.8%)
  • 営業利益:1,870億76百万円(+44.7%)
  • 経常利益:1,967億93百万円(+49.6%)
  • 純利益:1,391億33百万円(+51.0%)

となりました。

営業利益率を単純計算すると約54%で、非常に高い収益力です。

最大の問題は「価格があまり下がっていない」こと

10月6日終値は81,490円です。

年初来高値87,920円からの下落率は約7%にとどまります。

つまり今回の比較では、

「会社として非常に強い」ことと、「現在の株価で最も買いやすい」ことは別

と判断しました。

業績と競争力だけを評価するなら1位候補ですが、新規購入という条件では、より大きく調整しているダイフクやファナックを上位としています。

なお、キーエンスは2026年10月29日に2027年3月期第2四半期決算を公表する予定です。

【5位】 THK(6481)|ロボットを動かす直動部品の「つるはし銘柄」

5位はTHK(6481)です。

THKをフィジカルAI銘柄として考えるとき、最も重要なのがLMガイドです。

LMガイドは、機械の直線運動を滑らかかつ高精度にするための機械要素部品で、

  • 産業用ロボット
  • 工作機械
  • 半導体製造装置
  • FA設備
  • 各種自動化設備

などに使用されます。

AIそのものを開発する会社ではありませんが、ロボットや自動化設備が増えるほど、こうした精密機械部品の重要性も高まります。

その意味でTHKは、フィジカルAI市場の成長に対する「つるはし・部品型銘柄」として注目できます。

8銘柄の中ではPERが低い

10月6日終値は6,842円、予想PERは13.99倍です。

今回の8銘柄では、ファナック約29倍、SMC約28倍、安川電機約27倍、ハーモニック・ドライブ・システムズ約104倍などと比較すると、表面上のPERはかなり低くなっています。

年初来高値8,244円からも約17%下です。

ただし、ここには注意点があります。

THKは輸送機器事業を非継続事業に分類しており、2026年の利益を見る際には事業売却などの影響と、継続事業そのものの利益を分けて確認する必要があります。

そのため、PER13倍台だけを見て「他のロボット関連株より圧倒的に割安」と判断するのは危険です。

THKは、AI人気そのものではなく、ロボット・FA・半導体製造装置の台数増加から恩恵を受ける「部品側」を狙う銘柄として面白い存在です。

ここまでの上位5社を整理すると、

  • 業績・受注・価格位置の総合力:ダイフク
  • フィジカルAI事業化の本命:ファナック
  • ロボットの筋肉:SMC
  • ロボットの目:キーエンス
  • 直動部品のつるはし:THK

となります。

しかし、6位以下にも非常に重要な銘柄があります。

特に安川電機は年初来高値から約38%下まで調整している一方、2026年10月9日に第2四半期決算発表を控えています。

その結果次第では、今回の6位から1~3位へ順位が急上昇する可能性もある「決算待ち銘柄」です。

次章では、安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズの3社を詳しく確認したうえで、「AIの頭脳・目・身体・筋肉」というフィジカルAI関連株の選び方を整理します。

安川電機・ナブテスコ・ハーモニック・ドライブもフィジカルAIで注目

チェックの画像

フィジカルAI本命・日本株ランキングでは、ダイフク、ファナック、SMC、キーエンス、THKを上位5社としました。

しかし、6位以下の安川電機、ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズも、フィジカルAI市場を考えるうえでは非常に重要な企業です。

特にこの3社は、AIソフトウェアそのものではなく、AIの判断を「現実の動き」に変えるロボット、サーボモーター、精密減速機を持っています。

ただし、3社には大きな違いがあります。

  • 安川電機:ロボット本体+サーボ+AI制御
  • ナブテスコ:産業用ロボットの関節を支える精密減速機
  • ハーモニック・ドライブ・システムズ:小型・高精度ロボット向け精密減速機

つまり、3社ともフィジカルAI関連ですが、投資ポイントは同じではありません。

6位 安川電機(6506)|フィジカルAIの「本命候補」だが10月9日決算を確認

安川電機(6506)は、今回6位としていますが、フィジカルAIとの直接的な関係だけを評価するならトップクラスの企業です。

安川電機は、

  • 産業用ロボット
  • ACサーボモーター
  • コントローラ
  • インバータ
  • モーション制御

などを持ち、AIによる判断を実際の機械動作へ変換するための技術を幅広く保有しています。

つまり安川電機は、フィジカルAIにおいて「身体」だけでなく「神経・運動制御」まで持つ企業と考えることができます。

ソフトバンクとフィジカルAIを使ったハンドリングシステムを実証

安川電機は2026年7月13日、ソフトバンクとフィジカルAIを活用した柔軟な物体のハンドリングシステムの実証を発表しました。

さらに7月15日には、安川電機のAIロボット「MOTOMAN NEXT」とGoogle DeepMindの生成AIを連携させた「エージェンティック・ロボットシステム」の開発も公表しています。

これは非常に重要です。

単に「将来AIとロボットが融合するかもしれない」という段階ではなく、安川電機自身が外部のAI技術企業と連携し、AIが状況を理解してロボットを動かす仕組みを実証・開発し始めています。

安川電機は、「フィジカルAI関連株」というより、すでにフィジカルAIを具体的なロボットシステムへ実装し始めている企業として見ることができます。

なぜ6位なのか?2026年10月9日の2Q決算が重要

テーマ性が強いにもかかわらず6位とした最大の理由は、業績確認のタイミングです。

安川電機の公式IRカレンダーでは、2026年10月9日に2027年2月期第2四半期決算を発表予定です。

つまり、この記事の基準日である2026年10月7日時点では、2日後に重要な決算を控えています。

10月6日終値は4,936円で、年初来高値から約38%下まで調整しているため、価格面ではかなり興味深い位置です。

しかし、株価が大きく下落しているからといって、それだけで「割安」と判断することはできません。

10月9日の決算では、特に次の点を確認したいところです。

  • ロボット事業の受注が回復しているか
  • ACサーボモーター・コントローラ需要が改善しているか
  • 中国・日本・米国の設備投資動向
  • 利益率が改善しているか
  • 通期業績予想の修正があるか
  • MOTOMAN NEXTなどAIロボティクスの事業展開に新しい説明があるか

安川電機の現在の判断

「6位だから魅力が低い」のではなく、「10月9日の決算を確認してから再評価したい銘柄」です。受注・利益率・業績予想に強い改善が確認できれば、1~3位へ順位を上げる余地があります。


7位 ナブテスコ(6268)|産業用ロボットの「関節」を支える精密減速機

ナブテスコ(6268)は、産業用ロボットに使われる精密減速機の重要メーカーです。

ロボットのモーターは、そのままでは高速回転するため、ロボットの関節を高いトルクで正確に動かすには減速機が重要になります。

フィジカルAIを人間に例えるなら、ナブテスコの精密減速機は「関節を動かすための重要機構」に近い存在です。

AIが高度になっても、ロボットが現実世界で正確に動けなければ価値を生み出せません。

そのためフィジカルAI市場が拡大し、産業用ロボットや自律機械の台数が増える場合には、精密減速機にも需要拡大の可能性があります。

精密減速機の受注は2026年2Qも前年同期比プラス

ナブテスコ公式の「受注高の推移」によると、精密減速機の受注高は前年同期比で、

  • 2025年3Q:+11%
  • 2025年4Q:+28%
  • 2026年1Q:+21%
  • 2026年2Q:+23%

と、前年同期比プラスが続いています。

これはフィジカルAIという将来テーマ以前に、産業用ロボット向け精密減速機の需要環境が改善方向にあることを確認する材料になります。

ナブテスコの魅力:ヒューマノイド人気だけを追うのではなく、産業用ロボットの設備投資回復という実需から精密減速機需要を確認できる点。

ロボット専業ではない点は理解しておきたい

ただし、ナブテスコは精密減速機だけの会社ではありません。

鉄道車両用機器、航空機器、商用車用機器、舶用機器、自動ドアなど複数の事業を持っています。

そのためフィジカルAI・ロボット需要が急拡大したとしても、会社全体の業績は他事業の影響も受けます。

逆に言えば、精密減速機だけに依存しない事業分散があります。

今回のランキングでは「フィジカルAIへの利益感応度」を重視したため7位としていますが、精密減速機の受注回復が続く場合には再評価余地があります。

なお、ナブテスコの次回2026年12月期第3四半期決算は、会社公式IRカレンダーで2026年10月30日予定です。


8位 ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)|大化け余地と高PERが同居

ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)も、フィジカルAI・ロボティクス市場では重要な存在です。

同社の「ハーモニックドライブ®」に代表される精密減速機は、小型・軽量・高精度という特徴を持ち、産業用ロボットや各種メカトロニクス機器などに使われます。

特にロボットでは、関節部分をコンパクトかつ高精度に動かすことが重要です。

そのため、将来的にヒューマノイド、小型協働ロボット、高性能産業ロボットなどが大量普及すれば、精密減速機は注目すべき部品の一つになります。

会社自身も自動化・AI半導体関連需要の回復を想定

ハーモニック・ドライブ・システムズは2027年3月期の業績見通しについて、

  • 労働人口減少を背景とした自動化投資の拡大
  • データセンター投資の拡大
  • 生成AIの普及に伴う先端半導体需要の増加

などを背景に、関連設備投資が底堅く推移し、受注高の回復が継続するとの見方を示しています。

2027年3月期の会社予想は、

  • 売上高:745億円
  • 営業利益:85億円
  • 経常利益:82億円
  • 純利益:60億円

です。

業績が本格回復すれば、利益の伸び率が大きくなる可能性があります。

最大の問題は高いバリュエーション

一方、10月6日終値6,600円に対し、予想PERは約104倍でした。

つまり市場は、すでに将来のロボット・自動化需要回復を相当程度期待している可能性があります。

ハーモニック・ドライブの注意点

「フィジカルAI関連だから割安」なのではありません。利益回復が市場期待に届かなければ、高PER修正によって株価が大きく下落する可能性があります。

逆に、ロボット需要の急回復やヒューマノイド向け需要の本格化によって利益が予想以上に増えれば、PERは利益成長によって低下します。

そのため、今回8位としていますが、

「最も安全な銘柄」ではなく、「業績回復が成功した場合の株価弾性が大きい高リスク・高リターン候補」

として見るべき銘柄です。

フィジカルAI関連株は「AIの頭脳・目・身体・筋肉」に分けて考える

注意点の画像

ここまでの8銘柄を比較すると、フィジカルAI関連株をすべて同じ基準で考えるべきではないことが分かります。

フィジカルAIは、一つの企業や一つの技術だけで完成するものではありません。

大まかには、

見る → 考える → 制御する → 動かす → 現実世界で仕事をする

という一連の仕組みで成立します。

そこで投資対象を、「頭脳・目・神経・身体・筋肉・関節・働く場所」に分けると理解しやすくなります。

※スマホでは表を横にスクロールできます。
役割 必要な技術 代表企業 投資で見るポイント
頭脳 GPU・AI半導体・AIモデル NVIDIAなど AI演算需要、ロボティクス向けプラットフォーム普及
目・感覚器 センサー・画像処理・マシンビジョン キーエンス、オムロンなど 高度な認識・検査・測定需要
神経・制御 サーボ・コントローラ・モーション制御 ファナック、安川電機 AIと機械動作をつなぐ制御技術
身体 産業用ロボット・協働ロボット ファナック、安川電機 ロボット販売台数、受注、AI搭載率
筋肉 空圧・アクチュエータ・直動機構 SMC、THK ロボット・FA設備の台数増加
関節 精密減速機 ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ 産業ロボット・小型ロボット需要、受注回復
働く場所 物流・搬送・工場自動化システム ダイフク 半導体工場・物流センターの自動化投資

「完成品メーカー」だけを探す必要はない

フィジカルAI投資でありがちな考え方が、

「次のNVIDIAはどこか?」

「次のヒューマノイドメーカーはどこか?」

という完成品・プラットフォーム企業だけを探す方法です。

しかし、産業の成長過程では、完成品メーカー以外にも大きな需要が発生します。

例えばロボット1台を作るためには、センサー、サーボモーター、アクチュエータ、直動部品、精密減速機など多くの部品が必要です。

さらにロボットを工場で運用するには、搬送設備やFAシステムも必要になります。

そのため、フィジカルAI市場が本当に大きくなる場合、

「どのヒューマノイドが勝つか」を当てなくても、複数メーカーへ部品や設備を供給する企業が成長する可能性があります。

これは、AIデータセンター投資でGPUメーカーだけでなく、電力、冷却、光通信、半導体製造装置などへ需要が波及する構造と似ています。

日本株では「目・筋肉・関節」に世界競争力のある企業が多い

日本のフィジカルAI関連株を見る場合、AIモデルそのものでは米国企業の存在感が非常に大きい一方、現実世界で機械を高精度に動かす技術では日本企業にも多くの強みがあります。

例えば、

  • センサー・測定:キーエンス
  • 産業ロボット・FA:ファナック、安川電機
  • 空圧制御:SMC
  • 直動部品:THK
  • 精密減速機:ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ・システムズ
  • 物流・搬送自動化:ダイフク

などです。

つまり、日本株でフィジカルAIを狙う場合には、米国企業と同じようなAIソフトウェア企業を探すだけではなく、「AIが現実世界へ出てきたときに必要になる機械・部品・設備」を見ることが重要です。

フィジカルAI日本株の見方

AIの目 → キーエンス

AIの神経・身体 → ファナック、安川電機

AIの筋肉 → SMC、THK

AIロボットの関節 → ナブテスコ、ハーモニック・ドライブ

AIが働く工場・物流 → ダイフク

そして、ここまで読んで「フィジカルAIに投資するならETFと個別株のどちらがよいのか?」と迷う方もいるでしょう。

次章では、フィジカルAI ETFと個別株のメリット・デメリットを比較し、最後に高値掴みやテーマ過熱などの注意点を整理します。

フィジカルAI ETFと個別株はどちらを買うべき?

疑問の画像

ここまで、フィジカルAIに強いETF・ファンドと、日本の個別株を比較してきました。

最後に悩むのが、

「フィジカルAIへ投資するなら、ETFと個別株のどちらがよいのか?」

という問題です。

結論からいえば、どちらが絶対に優れているというものではありません。

「フィジカルAIという産業全体の成長を取りたい」のか、「成長企業を絞ってETF以上の値上がりを狙いたい」のかによって選択肢が変わります。

ETFと個別株の違いを比較

※スマホでは表を横にスクロールできます。
比較項目 ETF・ファンド 個別株
分散 ◎ 複数企業へまとめて投資できる △ 企業固有リスクが大きい
大化けした場合の利益 ○ 他銘柄によって上昇率が薄まる ◎ 本命企業を当てれば株価上昇を直接取れる
銘柄選びの難易度 ○ 比較的低い △ 決算・受注・バリュエーション確認が必要
決算リスク ○ 1社の悪決算の影響を分散しやすい △ 1回の決算で大きく動く場合がある
テーマの取りこぼし ○ 複数分野をまとめて保有できる △ 選んだ企業が勝者になるとは限らない
保有コスト 運用管理費用・経費率などが発生 ファンドとしての継続的な運用管理費用はない
分析の手間 比較的少ない 決算・受注・競争力・株価評価を継続確認
向いている投資 テーマ全体の成長を狙う 本命企業へ集中して高いリターンを狙う

フィジカルAIという「テーマ全体」を買うならETF

フィジカルAIは、まだどの企業が最終的な勝者になるのかを断定できる段階ではありません。

例えばヒューマノイドでも、自動運転でも、今後どの企業の技術・製品が業界標準になるかは変化する可能性があります。

そのため、

  • AI半導体
  • センサー
  • 産業ロボット
  • FA
  • アクチュエータ
  • 精密減速機
  • 自動運転
  • 医療ロボット

などへ幅広く分散できるETFには大きなメリットがあります。

特にBOTZは、世界のAI・ロボット・センサー・自動運転まで幅広く投資でき、2638は日本の産業ロボット・FA・駆動部品への比重が高いという違いがあります。

「どの企業が最終勝者になるか分からないが、フィジカルAI市場そのものは拡大すると考える」という場合には、ETFという選択肢は合理的です。

ETF以上の値上がりを狙うなら個別株

一方、個別企業を分析できるのであれば、個別株にはETFにはない魅力があります。

例えば、ある企業のフィジカルAI関連事業が急成長し、利益が2倍、3倍になった場合、その企業の株価が大きく上昇する可能性があります。

しかしETFでは、その銘柄が大きく上昇しても、他の構成銘柄によって上昇率が薄まります。

今回取り上げた日本株では、

  • ダイフク:すでに受注・業績に自動化需要が表れている
  • ファナック:フィジカルAIの共同事業化へ進んでいる
  • SMC:自動化・ロボットの駆動を支える
  • キーエンス:現実世界を認識するセンサー・画像技術
  • THK:ロボット・FAを支える直動部品
  • 安川電機:AIロボティクス実装を進める
  • ナブテスコ:精密減速機の受注が回復
  • ハーモニック・ドライブ:ロボット関節向け精密減速機の成長期待

と、それぞれ異なる投資ストーリーがあります。

個別株投資では、単に「フィジカルAI関連」という理由だけではなく、そのテーマが売上高・受注・営業利益・EPSへいつ反映されるのかを確認することが重要です。

ETF+個別株という方法もある

ETFか個別株かを、必ず二者択一にする必要もありません。

例えば、フィジカルAI投資の中心をETFにして産業全体へ分散し、そのうえで自分が特に強いと考える企業を個別株で追加する方法もあります。

考え方の一例

コア:BOTZ・2638などでフィジカルAI市場全体へ分散

サテライト:ダイフク・ファナック・SMCなど、自分が特に成長すると判断した個別株

こうすることで、1社にすべてを賭けるリスクを抑えながら、本命企業の成長も直接取りに行くことができます。

ただし、BOTZと2638のように同じ日本企業を重複保有するETFもあるため、ETF+個別株では実質的な銘柄集中度を必ず確認した方がよいでしょう。

フィジカルAI投資の注意点|高値掴み・テーマ過熱・業績とのズレに注意

注意点の画像

フィジカルAIは、AI市場の次の成長領域として非常に注目度の高いテーマです。

しかし、

「フィジカルAI市場が成長する」ことと、「フィジカルAI関連株をいつ買っても儲かる」ことは全く別です。

テーマ投資だからこそ注意すべきポイントがあります。

注意点① 「フィジカルAI関連」というだけで株価が先に上がることがある

株式市場では、実際の利益より先に将来期待を織り込むことがあります。

特にヒューマノイド、AIロボット、自動運転など、将来の市場規模が大きいと期待されるテーマでは、売上高や利益への貢献がまだ小さくても株価だけ先に上昇する場合があります。

その典型的なチェック指標の一つがPERです。

今回比較した銘柄でも、ハーモニック・ドライブ・システムズは2026年10月6日時点で予想PERが約100倍の水準でした。

これは「必ず割高」という意味ではありません。

将来利益が急増すればPERは低下します。

しかし、利益成長が市場期待に届かなければ、

利益が増えているにもかかわらず、PERの低下によって株価が下落する

こともあります。

注意点② 「フィジカルAIの売上」がまだ小さい企業もある

企業がフィジカルAI、ヒューマノイド、AIロボティクスへの取り組みを発表していても、それがすぐに会社全体の売上高・利益へ大きく貢献するとは限りません。

投資判断では、

  • 実証実験なのか
  • 試作品なのか
  • 顧客採用が始まったのか
  • 量産が始まったのか
  • 受注金額が開示されているのか
  • 売上高に計上されているのか
  • 営業利益を押し上げているのか

を分けて見る必要があります。

「フィジカルAIに取り組んでいる」と「フィジカルAIで利益を稼いでいる」は別です。

だからこそ、今回のランキングでは、テーマ性だけではなく受注・売上高・営業利益まで確認しました。

注意点③ ロボット・FAは設備投資サイクルの影響を受ける

産業ロボット、FA、工作機械、半導体製造装置、自動搬送設備などは、企業の設備投資の影響を受けます。

景気が悪化し、企業が設備投資を延期すれば、長期的な成長テーマが変わっていなくても短期的には受注が減る可能性があります。

特に確認したいのが、

  • 半導体設備投資
  • 自動車設備投資
  • 物流施設投資
  • 中国のFA・ロボット需要
  • 北米・欧州の製造業投資

です。

フィジカルAI市場が長期的に成長していても、毎年一直線に業績が増えるとは限りません。

注意点④ 中国市場の影響

日本のFA・産業ロボット企業にとって、中国は重要な市場の一つです。

そのため、中国の設備投資、製造業景況感、現地ロボットメーカーとの競争などによって、日本企業の受注や利益が影響を受ける可能性があります。

フィジカルAIの世界的な成長だけでなく、企業ごとの地域別売上高・受注も確認する必要があります。

注意点⑤ 海外ETFは為替でも損益が変わる

BOTZやARKQなど米国上場ETFへ日本円から投資する場合、ETFそのものの価格だけでなく円と米ドルの為替変動も投資成果に影響します。

例えば、ETFのドル建て価格が上昇しても、大幅な円高になれば円換算での利益が小さくなる場合があります。

逆に円安になれば、ドル建て資産の円換算価値を押し上げる方向に働きます。

海外ETFを選ぶ場合には、株価だけではなく為替リスクも含めて考える必要があります。

注意点⑥ ETFでもテーマ集中リスクはある

ETFには「分散投資」のイメージがありますが、テーマ型ETFはTOPIXやS&P500のような広範な指数とは性格が違います。

例えばBOTZはロボティクス・AI関連企業、2638は日本のロボティクス・AI関連企業に投資対象を絞っています。

そのため、ロボット・AI関連株全体が売られた場合、複数銘柄へ分散していてもETF全体が大きく下落する可能性があります。

ARKQについても、ARK自身が広範な市場平均よりポートフォリオの値動きが大きくなる可能性をリスクとして明記しています。

ETF=低リスクではありません。「1社への集中リスクを減らせる」のがETFであり、「テーマそのものの下落リスク」がなくなるわけではありません。

注意点⑦ ファンドのコストも確認する

ETF・投資信託では、保有中に運用管理費用や経費率などのコストが発生します。

例えば2026年10月時点で、BOTZの経費率は年0.68%、ARKQは年0.75%、2638の運用管理費用は年率0.649%(税抜0.59%)です。

テーマ型ETF・ファンドは、一般的な市場全体型のインデックス商品よりコストが高い場合があります。

長期間保有する場合には、テーマ性や過去のリターンだけでなく、信託報酬・経費率なども確認することが重要です。

フィジカルAI投資で最低限チェックしたい7項目

  1. フィジカルAIと実際の事業がどれだけ近いか
  2. 受注・売上高が本当に増えているか
  3. 営業利益・EPSまで増えているか
  4. 実証段階なのか、量産・商用化段階なのか
  5. PERなどに将来期待が織り込まれ過ぎていないか
  6. 株価が年初来高値からどの位置にあるか
  7. 設備投資・中国・半導体・為替など外部環境に変化がないか

まとめ|フィジカルAI本命ETFと日本株をどう選ぶか

まとめ画像

フィジカルAIは、AIがデジタル空間から現実世界へ進出する大きな技術変化です。

文章や画像を生成するだけではなく、センサーで周囲を認識し、AIが判断し、ロボット・自動運転車・産業機械などを実際に動かす世界へ進みます。

そのため投資対象も、NVIDIAのようなAI半導体だけではありません。

頭脳:AI半導体

目:センサー・マシンビジョン

神経:FA・サーボ・モーション制御

身体:産業ロボット

筋肉:空圧・アクチュエータ・直動部品

関節:精密減速機

働く場所:工場・物流・自動搬送システム

まで大きな産業の裾野があります。

フィジカルAI主要ETF・ファンドの最終整理

※スマホでは表を横にスクロールできます。
目的 第一候補 理由
世界のフィジカルAIをバランスよく狙う BOTZ AI半導体・センサー・ロボット・駆動・自動運転まで幅広い
日本のフィジカルAIを狙う 2638 日本のFA・ロボット・センサー・直動・空圧・減速機に強い
AI半導体+ロボットを世界分散 ロボテック NVIDIA・AMD・TSMCなどと産業自動化企業を同時保有
次世代自律技術の爆発力を狙う ARKQ 自動運転・Adaptive Roboticsなど将来型テーマへの比重が高い
AI・ソフトウェアまで広く自動化を狙う iTrustロボ ソフトウェア・AI・半導体を含む広いロボティクス関連投資

フィジカルAI本命・日本株の最終整理

※スマホでは表を横にスクロールできます。
目的 注目銘柄 注目理由
業績・受注・価格位置の総合力 6383 ダイフク 半導体・物流自動化需要がすでに受注・利益へ反映
フィジカルAI事業化の本命 6954 ファナック AIと産業ロボットを組み合わせた実装・事業化を推進
ロボットの「筋肉」 6273 SMC 空圧・アクチュエータで自動化設備を支える
ロボットの「目」 6861 キーエンス センサー・画像・測定技術と高い収益力
つるはし・直動部品 6481 THK ロボット・FA・半導体製造装置を支えるLMガイド
決算後の逆転候補 6506 安川電機 フィジカルAI実装を進め、10月9日決算が重要
産業ロボットの関節 6268 ナブテスコ 精密減速機の受注回復を確認
高リスク・高成長期待 6324 ハーモニック・ドライブ・システムズ 精密減速機需要の拡大期待。ただし高PERに注意

2026年10月時点で私が特に注目するのは、ETFではBOTZと2638、日本株ではダイフクとファナックです。

ただし、フィジカルAIはまだ成長初期のテーマであり、今後の決算、受注、顧客採用、量産、設備投資動向によって評価順位は変わります。

特に、AI・ロボティクス関連株では、期待が先行すると株価が業績以上に上昇することがあります。

そのため、

フィジカルAI投資で最も重要なこと

「良いテーマを見つける」だけではなく、「そのテーマが企業利益へ変わり始めているか」と「現在の株価にどこまで期待が織り込まれているか」を同時に確認することです。

今後、フィジカルAIが本格的に社会実装されれば、恩恵を受ける企業はロボットメーカーだけではありません。

センサー、FA、サーボ、空圧、アクチュエータ、直動部品、精密減速機、自動搬送など、「AIが現実世界で動くために必要な企業」にも大きな投資機会が広がる可能性があります。

ETFで産業全体の成長を取りに行くのか、それとも個別株で本命企業を狙うのか。

フィジカルAIは、これからも「AIの頭脳」だけではなく「AIの身体」を見ることが重要な投資テーマになりそうです。

※本記事は特定の金融商品・銘柄の売買を推奨するものではありません。株式・ETF・投資信託には価格変動や元本割れのリスクがあります。投資判断は、最新の企業開示・運用会社資料・株価・ご自身の資産状況等を確認したうえで行ってください。

【補足】フィジカルAI ETFはどこで買える?2638・BOTZ・ARKQの買い方を証券会社別に解説

ここまでフィジカルAIに強いETFとして、2638、BOTZ、ARKQなどを紹介してきました。

では、実際にこれらのETFを買う場合、日本株と同じ口座から買えるのでしょうか。それとも米国株用の口座や米ドルを準備する必要があるのでしょうか。

結論からいうと、かなりシンプルです。

2638:日本株口座から円で購入できます。

BOTZ・ARKQ:米国上場ETFなので米国株口座が必要です。

ただし、米国ETFだからといって、銀行から米ドルを海外口座へ送金する必要はありません。主要ネット証券では日本円を使った「円貨決済」が可能です。

特に松井証券では、日本円を米国株口座へ振り替え、「円貨決済」を選択することでBOTZなどの米国ETFを購入できます。

松井証券ではこう考えると分かりやすい

※スマホでは表を横にスクロールできます。
商品 分類 松井証券で使う口座 円のまま買える? NISA
2638
グローバルX ロボティクス&AI-日本株式ETF
東証ETF 日本株口座 ○ 成長投資枠対象可否は発注画面で確認
BOTZ 米国ETF 米国株口座 ○ 円貨決済可能 ○ 成長投資枠対象
ARKQ 米国ETF 米国株口座 ○ 円貨決済なら可能 松井証券での現在の取扱・NISA可否は注文画面で確認
ロボテック 投資信託 投資信託口座 ○ 円 対象枠は商品画面で確認
iTrustロボ 投資信託 投資信託口座 ○ 円 成長投資枠対象

松井証券では2638を実際に東証ETFとして取り扱っており、1口単位で日本株と同じように売買できます。

またBOTZについても、松井証券の米国ETF取扱銘柄として掲載されており、NISA成長投資枠の対象であることが確認できます。

松井証券で2638を買う場合

2638を買う方法は非常に簡単です。

日本株 → 銘柄検索 →「2638」→ 現物買

基本的には、普通の日本株を購入するときと同じです。

日本円でそのまま注文でき、BOTZやARKQのような米国株口座を新たに使う必要はありません。

つまり、すでに松井証券で日本株を取引している場合は、

「2638」と銘柄コードを入力して、普通の日本株と同じように買う

と考えれば分かりやすいでしょう。

2638は東京証券取引所に上場しているETFなので、米ドルへ交換する必要もありません。

松井証券でBOTZを買う場合

BOTZの場合は少し仕組みが違います。

BOTZは米国市場に上場しているETFなので、松井証券の米国株口座を利用します。

基本的な流れは、

① 米国株口座を開設

② 日本円を米国株口座へ振替

③ BOTZを検索

④ 円貨決済を選択

⑤ 買付

という流れです。

ここで重要なのが、「米国ETFだからといって、自分で米ドルを用意する必要はない」という点です。

松井証券では米国株口座へ日本円を振り替えたうえで、注文時に「円貨決済」を選ぶことができます。

この場合、投資家自身が事前に日本円を米ドルへ両替しておかなくても、円資金を使って米国株・米国ETFを購入できます。

「海外口座へドルを送金する」という意味ではない

米国ETFというと、

「海外の証券口座を作って、銀行からドルを海外へ送金しないと買えないのでは?」

と思う方もいるかもしれません。

しかし、松井証券の場合はそうではありません。

基本的には、

松井証券の総合口座 → 松井証券の米国株口座

へ資金を振り替えます。

つまり、同じ松井証券の中で資金を移動させるイメージです。

松井証券では、この資金振替はリアルタイムで行うことができます。

例えば、

日本円100,000円

↓

松井証券の米国株口座へ振替

↓

BOTZを「円貨決済」で購入

という形で購入できます。

したがって、外国の銀行や海外の証券会社へ直接お金を送るわけではありません。

さらに松井証券には「振替アシスト」がある

松井証券には、米国株を買う際に便利な「振替アシスト」という機能があります。

米国株の注文を出した際、米国株口座の日本円資金が不足していても、総合口座に資金があれば、不足分を米国株口座へ自動的に振り替えることができます。

そのため、実際の利用イメージとしては、

「日本円を持っている → 米国ETFを円貨決済で買う」

という比較的簡単な使い方ができます。

NISAでBOTZを買う場合だけ少し注意

BOTZは松井証券でNISA成長投資枠の対象となっています。

ただし、米国株・米国ETFをNISAで購入する場合には、日本株のNISA注文とは操作が少し異なります。

松井証券では、NISA成長投資枠のうち、米国株で使用する金額を米国株口座側へ割り当てる必要があります。

例えば、NISAの成長投資枠が100万円残っていて、そのうち20万円分をBOTZへ投資したい場合は、

NISA成長投資枠

↓

米国株NISA枠へ20万円を割当

↓

BOTZをNISAで注文

という流れになります。

ここで注意したいのは、日本株用と米国株用に別々のNISA年間投資枠が追加されるわけではないことです。

NISAの成長投資枠は年間240万円で、その同じ枠の中から日本株・ETF・米国株などに振り分けて使用します。

楽天証券・SBI証券も基本的な仕組みは同じ

米国ETFを購入する仕組みは、松井証券だけが特別というわけではありません。

楽天証券やSBI証券でも、米国株・米国ETFについて円貨決済を利用できます。

楽天証券では、米国株の注文時に円貨決済または外貨決済を選択できます。

円貨決済を選べば、日本円の買付可能額から米国株・米国ETFを購入できます。

SBI証券でも同様に、米国株注文時に「円貨決済」を選択すれば、日本円の買付余力を利用して米国株・ETFを購入できます。

そのため、主要ネット証券での大まかな考え方は、

※スマホでは表を横にスクロールできます。
証券会社 2638 米国ETF 円貨決済
松井証券 日本株口座から購入 米国株口座から購入 ○
楽天証券 日本株口座から購入 米国株口座から購入 ○
SBI証券 日本株口座から購入 米国株口座から購入 ○

SBI証券ではARKQの取扱いを確認できます。

また、BOTZについてもSBI証券のGlobal X米国ETF取扱銘柄として確認できます。

楽天証券でもBOTZの取扱いがあります。

ARKQは証券会社ごとに取扱状況を確認

ARKQは米国上場ETFなので、購入する場合には米国株口座が必要です。

SBI証券ではARKQの取扱いを確認できます。

一方、松井証券については2026年10月7日時点で米国株・ETFの公開取扱銘柄一覧ページは確認できましたが、公開ページの検索結果だけではARKQの現在の取扱いを確実に確認できませんでした。

そのため、松井証券でARKQを購入したい場合には、ログイン後の米国株銘柄検索で「ARKQ」と入力し、現在の取扱状況を確認してください。

ARKQについては、松井証券で「必ず買える」とは断定しません。最新の取扱状況はログイン後の銘柄検索で確認する必要があります。

結論|2638は日本株口座、BOTZ・ARKQは米国株口座

最後に、最も重要なところだけ整理します。

2638を買う場合
東証ETFなので、松井証券などの日本株口座から普通の日本株と同じように購入できます。日本円のままでOKです。

BOTZを買う場合
米国ETFなので米国株口座が必要です。ただし、松井証券では日本円を使った円貨決済ができるため、事前に米ドルを準備する必要はありません。

ARKQを買う場合
米国株口座が必要です。SBI証券では取扱いを確認できます。松井証券については、最新の取扱状況をログイン後の銘柄検索で確認してください。

つまり、

「できるだけ簡単に日本円・日本株口座だけでフィジカルAI ETFを買いたい」のであれば2638が分かりやすく、

「世界のフィジカルAIへ投資したい」のであれば、米国株口座を使ってBOTZなどを購入することになります。

そして米国ETFだからといって、わざわざ海外銀行口座を作ったり、米ドルを海外へ送金したりする必要はありません。

松井証券、楽天証券、SBI証券などでは、日本円から円貨決済で米国ETFを買うことが可能です。

フィジカルAI ETFを選ぶ際には、組入銘柄や騰落率だけでなく、「自分が利用している証券会社で取扱いがあるか」「NISA対象か」「円貨決済できるか」まで確認しておくと、実際の購入までスムーズです。