【皮膚免疫学の世界的な権威】京大・椛島健治教授のアトピー新薬まとめ!略歴・書籍・費用も解説

【皮膚免疫学の世界的な権威】京大・椛島健治教授のアトピー新薬まとめ!略歴・書籍・費用も解説 暮らしに役立つ情報

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アトピー性皮膚炎の治療に悩んでいる方にとって、「約20年ぶりの画期的な新薬」というニュースは大きな希望です。その新薬開発の中心となったのが、京都大学大学院医学研究科の椛島健治(かばしま けんじ)教授です。

本記事では、椛島教授の略歴や驚きの人物像から、世界初となる2つのアトピー治療薬(コレクチム軟膏・ミチーガ皮下注)の詳しい特徴や費用比較、そして皮膚科学の最前線を学べるおすすめの書籍まで、詳しく網羅して解説します。

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京都大学・椛島健治教授とは?略歴と人物像

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椛島健治教授は、皮膚免疫学およびアレルギー学における世界的な権威です。長年、謎が多かった「アトピー性皮膚炎の発症メカニズム」や「かゆみの正体」を分子レベルで解明し、世界初のアトピー性皮膚炎治療薬の実用化を牽引しました。

主な略歴

1970年生まれ。日本の病院だけでなく、アメリカの医療機関や研究機関等でも研鑽を積んでいます。

  • 1996年: 京都大学医学部を卒業。横須賀米海軍病院でインターンとして勤務。
  • 1997年: 米国ワシントン大学医学部付属病院へ臨床留学(内科・皮膚科レジデント)。
  • 2003年: 京都大学大学院医学研究科(博士課程)修了。米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)免疫学教室で研究を行う。
  • 2005年: 産業医科大学 皮膚科 助教授。
  • 2008年〜: 京都大学大学院医学研究科 准教授などを歴任。
  • 2015年〜現在: 京都大学大学院医学研究科 皮膚科学 教授に就任。シンガポール科学技術研究庁などの海外要職も兼任しています。

主な研究功績と受賞歴

皮膚を「単なる体の表面の膜」ではなく、「高度な免疫システムを持つ人体最大の臓器」として捉える研究を続けています。

  • 画期的な新薬の開発: ステロイド外用薬が中心だったアトピー治療において、外用JAK阻害薬「デルゴシチニブ」や、かゆみ原因物質を直接ブロックする注射薬「ネモリズマブ」の創出・臨床応用に中心的な役割を果たしました。
  • かゆみのメカニズム解明: アトピー患者を苦しめる「かゆみ」が、免疫細胞と神経系の複雑なやり取りによって起こることを解明しました。
  • 皮膚の3次元イメージング技術: 皮膚の中で免疫細胞がどのように動き回っているかを、生きたまま立体的(3次元)に観察する高度な技術を確立し、病態解明を前進させました。

これらの功績により、日本学術振興会賞(2014年)、文部科学大臣表彰 科学技術賞(2019年)、日本免疫学会賞(2019年)、さらにはアメリカの皮膚科学領域における権威ある賞「American Skin Association – Research Achievement Award(2023年)」など、国内外で数多くの賞を受賞しています。

驚きの人物像(ウルトラトレイルランナー)

研究室にこもるだけでなく、非常にアクティブな一面も持っています。40歳からマラソンを始め、現在でもフルマラソンを3時間以内で完走する「サブスリー」の記録を持ちます。さらに、山道を夜通し走る100マイル(約160km)の過酷なトレイルランニングレース(UTMBなど)も多数走破するほどの体力と精神力の持ち主です。この探求心とタフさが、新薬開発の道を切り開く原動力となっています。

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【皮膚免疫学の世界的な権威】京大・椛島健治教授が開発に携わった2つの画期的な新薬とは?

【皮膚免疫学の世界的な権威】京大・椛島健治教授が開発に携わった2つの画期的な新薬の画像

アトピー治療において約20年ぶりの革新的な新薬誕生として、世界中から高く評価されている2つの薬を紹介します。

1. ネモリズマブ(商品名:ミチーガ皮下注)

  • 特徴: アトピー性皮膚炎による「かゆみ」そのものを標的にした世界初の注射薬(抗IL-31受容体Aヒト化モノクローナル抗体)です。
  • 役割: かゆみを引き起こす原因物質「IL-31」の働きをブロックすることで、「かゆいから掻く → 肌のバリアが壊れる → さらに悪化する」という悪循環(イッチ・スクラッチ・サイクル)を根元から断ち切ります。
  • 創製(開発元): 中外製薬株式会社(独自の抗体技術を用いて薬の種を発見・開発)
  • 製造販売・流通: マルホ株式会社(日本国内のライセンスを取得し製造販売承認を保有。流通を担当)

2. デルゴシチニブ(商品名:コレクチム軟膏)

  • 特徴: アトピー性皮膚炎の治療薬として、世界で初めて実用化された非ステロイド性の外用薬(JAK阻害薬)です。
  • 役割: 免疫反応のシグナル伝達を阻害し、皮膚の炎症とかゆみを抑えるだけでなく、肌のバリア機能を回復させます。皮膚が薄くなるようなステロイド特有の副作用が出にくいため、顔や首などにも長期間使いやすいのがメリットです。
  • 創製(開発元): 日本たばこ産業株式会社(JTの医薬事業部が創製した純日本発の成分)
  • 製造販売・流通: 塩野義製薬株式会社(2025年12月にJTから製造販売権を承継)、鳥居薬品株式会社(塩野義製薬と共同でプロモーション・流通を担当)
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【比較表】保険適用時の費用目安と分類

どちらの薬も公的医療保険が適用され、アトピー性皮膚炎の診断がついていれば現役世代は原則3割負担で処方を受けられます。ただし、薬のタイプによって窓口で支払う費用(薬価)には大きな差があります。

項目 ミチーガ皮下注(ネモリズマブ) コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)
分類 注射薬(2週または4週に1回、医療機関または自己注射) 外用薬(塗り薬)
3割負担時の価格 1回(1本)あたり約35,000円前後
※薬剤費のみの計算
1本(5g)あたり約200円〜220円
※別途、調剤料などが必要
価格面の特徴 最先端のバイオ医薬品(抗体医薬)のため、高い効果がある反面、薬価も高額 比較的安価で、従来のステロイド外用薬などと同じ感覚で継続しやすい

医療費を抑えるためのサポート制度

「ミチーガ」のような高額な注射薬を使用する場合、窓口負担を軽減できる公的制度が利用できます。

  • 高額療養費制度: 1ヶ月の医療費が世帯収入に応じた上限額を超えた場合、超えた分が後から払い戻されます(または事前の手続きで窓口支払いを上限までに抑えられます)。
  • 子どもの医療費助成制度: 自治体によって対象年齢や負担額は異なりますが、子どもが治療を受ける場合は大幅な助成を受けられるケースがほとんどです。
  • 付加給付制度: お使いの健康保険組合(企業の組合健保など)によっては、独自の医療費払い戻し制度が用意されていることがあります。
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京都大学・椛島健治教授が執筆・監修した書籍を紹介

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皮膚科学の専門的な知見や最新科学をより深く知りたい方におすすめの書籍を3冊ご紹介します。いずれも書店やAmazonなどで購入可能です。

1. 『人体最強の臓器 皮膚のふしぎ 最新科学でわかった万能性』(講談社ブルーバックス)

椛島教授の単著であり、Amazonの「アトピー性皮膚炎」カテゴリ等でベストセラーを記録した代表作です(2022年12月15日発売 / 新書 1,320円 税込)。
皮膚が単なる「体を覆う袋」ではなく、免疫、脳(神経)、腸などと密接につながる「最強の臓器」であることを最新科学の視点から解き明かしています。

【本書の詳しい内容】

  • 第1章 そもそも皮膚とはなにか?: 皮膚を「人体最大の臓器」として捉え、表皮・真皮・皮下組織の3層構造や、毛・汗腺などの付属器の基本的な役割を網羅。
  • 第2章 皮膚がなければ、人は死ぬ: 皮膚が持つ強力な免疫システムに焦点。「自然免疫」と「獲得免疫」が精巧に連携し、病原体から体を守る仕組みを解説。
  • 第3章 なぜ「かゆく」なるのか?: かゆみと痛みの伝達速度の違い(かゆみの神経は痛みの神経より約100倍遅い)や、「掻くと痛みの信号が優先されてかゆみが治まる」メカニズム、TRPチャネルなどを解明。
  • 第4章 動物の皮膚とヒトの皮膚: ヒトが体毛を失い、全身に汗腺を発達させた「裸のサル」へ進化した過程や、ネアンデルタール人から受け継いだDNAの痕跡を考察。
  • 第5章 皮膚の病気を考える: 内臓の癌や膠原病など、体の内部の重篤な病気がサインとして皮膚に現れる現象(デルマドローム)など、皮膚疾患ならではの特徴を解説。
  • 第6章 アトピー性皮膚炎の科学: 免疫の司令塔のバランス崩れやバリア機能低下といった発症原因から、症状を長期的にコントロールする「プロアクティブ療法」などの最新事情を紹介。
  • 第7章 皮膚は衰える: 皮膚の老化の大部分を占める紫外線ダメージ「光老化」と、生命活動に必要なビタミンD生成とのバランス、正しいスキンケアについて。
  • 第8章 未来の皮膚医療はどう変わる?: アトピー悪化の原因となる悪玉細菌の駆除や、健康な人の「皮膚常在菌の移植」による根本治療など、未来の皮膚医療の可能性を展望。

2. 『一生役立つ きちんとわかる皮膚科学 しくみ・トラブル・スキンケア』(西東社)

椛島教授が監修を務めた最新刊の実用書です(2026年6月5日発売 / 単行本 1,760円 税込)。
世にあふれる断片的な美容・スキンケア情報に惑わされないよう、医学的な視点から「正しい皮膚の知識」を解説しています。肌荒れ、毛、におい、かゆみなど具体的な悩みの対策や、100種類以上の化粧品成分のビジュアル解説も網羅されています。

3. 『『NHK 3か月でマスターする 人体 2月号』(おとなの学びシリーズ)

NHKの解説番組テキストです(2026年1月21日発売 / ムック本 1,430円 税込 ※デジタル版1,360円)。
人体の構造を基礎から学び直すシリーズで、一部の皮膚パートを椛島教授が担当・解説しています。皮膚が持つバリア機能や、感覚器としての驚くべき役割がわかりやすく図解付きで解説されています。

京都大学・椛島健治 教授の動画を紹介

チェックの画像

動画タイトル:【なぜ皮膚は痒くなるのか】京都大学・椛島健治 教授/人間とは皮膚である理由/免疫と皮膚の関係/比較実験が可能な臓器としての皮膚/皮膚科学的な「美白」とは何か?

このビデオでは、京都大学大学院の椛島健治教授を迎え、人体最大の臓器である「皮膚」の驚べき機能と最新の科学的知見について詳しく解説しています。以下に主なポイントをまとめます。

臓器としての皮膚: 皮膚は体重の約16%を占める人体最大の臓器であり、バリア機能、体温調節、ビタミンD合成など、生命維持に不可欠な多才な役割を担っています。

「痒み」の正体: 痒みは本来、寄生虫などの異物を排除するための防御反応ですが、現代ではQOL(生活の質)を著しく下げる要因となっており、そのメカニズムの解明とコントロールが重要視されています。

清潔さとバリア機能: 過度な洗顔や消毒は、皮膚の最外層にある角層(バリア)を破壊し、共生している数兆個の善玉菌まで排除してしまうため、逆効果になることがあります。

ステロイドへの誤解: ステロイド外用薬に対する根強い不安に対し、現在の医療ガイドラインに基づいた正しい強さと量で使用すれば、副作用を抑えつつ高い治療効果が得られることを強調しています。

アトピー治療の新展開: 椛島教授らのチームが開発に携わった、ステロイドを含まない新しい外用薬(デルゴシチニブ)や注射薬(ネモリズマブ)など、アトピー性皮膚炎治療の進歩が紹介されています。

経皮感作とアレルギー: 食物アレルギーは食べることで起こるだけでなく、荒れた皮膚から抗原が入る「経皮感作」が大きな原因であることが判明しており、乳幼児期からのスキンケアがアレルギー予防に直結します。

美白と光老化: 皮膚科学の視点では、美白とは単に色を白くすることではなく、紫外線による「光老化」を防ぎ、皮膚の健康と若々しさを保つための重要な手段です。

皮膚は「体の鏡」: 熟練した皮膚科医は、皮膚の状態を見るだけでその人の職業や出身地、さらには内臓の疾患まで推測できるほど、皮膚には全身の情報が現れます。

脳・心と皮膚の相関: ストレスで痒みが生じるように、皮膚は脳や心と密接に繋がっており、皮膚疾患が精神面に与える影響も無視できない大きな課題です。

AIと皮膚の未来: 皮膚が持つ複雑な感覚や感情的な機能(ぬくもりや安心感など)をAIやロボットで再現することは極めて難しく、人間を人間たらしめる重要な要素であると結論づけています。

動画(57分8秒)(PIVOT 公式チャンネル)

まとめ

まとめの画像

京都大学の椛島健治教授は、皮膚科学の常識を覆し、アトピー性皮膚炎治療に「コレクチム軟膏」と「ミチーガ皮下注」という全く新しい選択肢をもたらしました。
これまでステロイド外用薬だけでコントロールが難しかった患者さんにとって、これらの新薬は大きな希望となっています。医療費の負担を軽減する制度も充実していますので、つらい症状にお悩みの方は、専門の皮膚科医にご相談されることをおすすめします。

 

✒️ この記事を書いた人

👨‍💻

中村 貴(専門知識をわかりやすく伝えるヘルスケアライターWebライター)

難解な専門知識や医療・健康トピックを読者目線でわかりやすく解説することを得意とする40代ライター。専門用語を一切使わずわかり易く丁寧に情報を発信中。

■記事監修・配信:おひとり様TV編集部

※本記事は情報提供のみを目的としています。実際の治療方針、具体的な適応条件や費用の仕組み、医学的なアドバイスについては、ご自身の症状や状況を踏まえ、必ず専門の医師または医療機関にご相談ください。